| §32 国有財産による「マルチクリエイティブエリア」の創出 −都市再生から都市創造へ− (3) |
by 岡部憲治
2006/2/6
■ 先日、「移民」をトピックとした番組でドイツの移民事情が取りあげられていた。ドイツも日本と同様、少子高齢化を迎えているのだが、その対策は
など非常に手厚いものだ。にもかかわらず、生産年齢人口の減少に歯止めはかかっていない。そこで政府が
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失業手当のカットと優秀な移民や資産家移民を積極的に受け入れる |
という新移民法を制定したのだからさぁ大変。
もともと失業率が12%と高いドイツだが、なかでもトルコからの移民の失業率が高くなってきているようだ。その一方で移民との賃金格差で職を追われるドイツ人も多くなってきている。ロイターによれば、2004年は1940年代後半以来、最高となる15万人がドイツを離れ、東西ドイツ統一から15年間で計180万人を超えたそうだ。また、同記事によれば、
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ドイツ連邦統計庁によると、2004年に国外に移住した数は15万667人。移住先のトップは米国(1万2976人)。あとスイス(1万2818人)、オーストリア(8532人)、英国(7842人) |
という内訳だ。つまり、移民により段々とドイツ人が自分の国の労働条件などから「住みにくい」と判断し他の国へ移り住んでいっているのだ。
その他、スペインの「65万人の不法移民の一挙の合法化」やイギリスの積極移民受け入れも先進国の老齢化を色濃く表している。
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■ また、韓国では移民博覧会が年2回行われ、「移民ブーム」となっているそうだ。学歴社会の激化や就職難から「住みにくい」と考え、「投資移民」制度を利用してカナダや香港、オーストラリアなどに移り住んでいるとのことだ。受け入れ先の国からすると「労働力」だけでなく「投資移民」により「資産」を呼び入れ国力(国富)の維持を計るのだろう。
驚いたのは中国本土から香港への「迂回移民」だ。この場合は、初めにアフリカや南太平洋の国々へ「投資移民」してその国の永住権を持ち、次に香港へ「投資移民」するのだ(中国本土から香港への直接移民は禁止されているので)。
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■ 欧州は大陸だ。だから移動もたやすい。言葉の問題はEUの語学政策をみれば今後10年くらいで解消されるだろう(ドイツ語なんて英語の親戚とか比喩されてるくらいだし)。
韓国や中国の人々が他の国へ移住(移民)するのも日本人に比べてたやすいのではなないだろうか。というのも留学時のアメリカでも1ヶ月ほど滞在していたオーストラリアでも「アジア人(中国・韓国)」の移住は定着しつつあると感じたからだ。そして英語を母国語とする人々はもともと移住には慣れている。つまり、世界で
がいっそう活発になってくるということだ。
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■ だが、日本人にそのような行動(移住・移民)が可能だろうか?
地理的には島国で、日本語で生きていけるのは基本的に日本のみだ。英語も国全体レベルで高いとは思えない。つまり、他の国へ行きようがない。
加えて、世界では「移民」制度がそれなりに充実しているのに、日本は皆無に等しい。
そうすると
という極めて困難な選択肢しか残らない。
では、その極めて困難な出生率回復は「出産費用無料」程度の政策で可能なのか。先のドイツの例にあるようにかなり難しいのではないだろうか。
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■ また、ILOの報告によれば、
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「世界の失業者の約半数は15歳から24歳の若年層」 |
だ。そして
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「若年層は全労働人口の約4分の1を占めるが、職を失う可能性は中高年層に比べて3倍以上も高い」 |
らしい。
人類は今後も高齢化していくのだから相対的に中高年が職に就いていく数は増えていく。ということは、中高年から若年層への「既得権のシフト」は高齢者が増えれば増えるほど難しくなっていくのではないだろうか。
もしそうなら若者の入り込む余地は減りつづけ、何かを創りだそうにも、既に設けられたルールによって制限がかけられる。ゆえに希望を失い意欲が消えていく。そんな構造がうっすらと頭に浮かぶ。
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■ 今までの先進国の経済成長は基本的に「数の論理(労働力)」によるものだ。そういう意味でBRICS(特にインドと中国)の勢いが圧倒的多数の若い人たちによるというのも頷ける。若い成功者を見て「自分も成功してやる!むきぃ〜!((((q(>。<)p)))」という強い意思を持つ若者の相乗効果パワーはすさまじいのだろう。
そういう勢いのある国はよいがその過程を既に終えてしまった国々は移民政策で「労働力」や「資産」を呼び入れている。
だが、移民政策も少子高齢化対策もまだ始まっていない(に等しい)日本の場合はどうなるのだろう?
[参考記事・参考放送・参照URL]
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NHKスペシャル
「シリーズ 同時3点ドキュメント(全8回)第一シリーズ 第2回 移民漂流 10日間の記録」より
http://www.nhk.or.jp/special/
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ロイター:「ドイツで海外移住が記録的ペース、失業問題が影」より
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共同通信:「世界の失業者、半数は若者 ILOの雇用報告が警鐘」より
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