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§27 「家族」で必要な知の共有 −激変する世界を乗り切るために−

by 岡部憲治
2005/10/24

■ 最近の原油価格の高騰で、ロサンゼルスではガソリン1ガロン(約3.8リットル)あたり3ドル程度だった。情報としては知っていても実際にスタンドで入れてみて初めてその値段の高さを痛感する。留学時には1ドル程度だったのだからその3倍。家計を圧迫することは間違いない。また、単純に価格の高騰だけと見がちだが日本のそれとは訳が違う。というのも日本で1時間走行する距離と米国で1時間走行する距離ではかなりの差があるからだ。つまり、より多くのガソリンを必要とする。ゆえにお金がかかる。

◇ ◇ ◇

■ 市場をみればWTIで1バレルあたり70ドル近辺を伺い、カトリーナの被害もあることから80〜100ドルくらいまで上がるとの市場予測まで飛び出した。結局のところ、61ドルあたりまで値が下がってきた。備蓄の放出やOPECの需要低下発表の影響があるにせよ、確実に「マネー」が価格の動きを極端にしている。
 カトリーナと言えば、車もなくレンタカーも借りれない貧困層の人たちが多くの被害に遭い、あらためて「二つの米国」という二極化の現実が照らし出された。
 だが、アメリカの人口は現在約2.9億人。そして2050年には約4.8億人に上昇する。これは移民政策によるものだが、当然、貧富の差はさらに開く可能性もある。今でさえ、二極化。その先はなんと呼べばいいのだろう?

◇ ◇ ◇

■ ガソリンだけでなく、住宅価格の高騰にはバブルを感じずにはいられない。例えば、サウスカリフォルニアの土地価格の上昇率は年率20%を超える。普通に家を購入したくともできないのが現状だ。友人によれば、カリフォルニアで家を購入できる財力のある(つまり、ローンを組める)人の数は約14%と非常に少ない。また、それを逆手にとって土地転がし的に物件を購入する人々も増えているそうだ。

◇ ◇ ◇

■ アパートの家賃も当時と比べれば2倍近くで1ヶ月1000ドルくらい(1ベッドルーム)だとか。とても一人では住めない額だ。これは留学生にとっては非常に痛い。
 LA在住の日本人向けのフリー情報誌に「短期留学生お助けプラン」という広告が載っていた。要はホテル滞在が1ヶ月500ドルというプランだ。なるほど確かに安い。昔ならこのようなプランはまったく見たことがなかった。
 それだけ不動産価格が色々なところに影響を及ぼしているのだろう。

◇ ◇ ◇

■ ロサンゼルスにいるときは、たいていテレビでSitCom(シチュエーションコメディ)を夜の11:00〜12:30まで見てから寝るのだが、その後のテレビ番組を時々見ると「スポンサードプログラム」が非常に多い。
 特に、「キャッシュフロービジネス」、「オプション」、「ノーダウンペイメント」、「デイトレード」などお金儲けの番組が目白押しだ。基本的には講習会や教材購入への勧誘番組だ。
 ここで少し想像してみた。
 働いて疲れて帰ってきて、夜寝る前に「笑い」で少し心が休まったところに「おいしい話(儲け話)」が飛び込んでくる。どうだろう? しかも、ガソリンの値段は上昇し、不動産は高くなり生活が苦しくなるという現実を前に。

「あ〜、なんかもしかしたら儲かるのかな? 出来るのかな?」

などと夢を見てしまわないだろうか(自分はたぶん見る。。。)。
 実際、「お金儲け講座」は盛況なようでLAコンベンションセンター(日本の東京ビッグサイトのような場所)やホテルなんかで様々な会がよく行われている。これは確実に「ゲームとしての資産」的な動きを促し、あらゆるところで価格変動に影響を促すだろう。

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■ ここで日本を眺めてみると、ガソリン価格は上昇し、ファンドによる投資もあるのか不動産価格が場所によっては上昇している。その他、投資信託への資金流入、ネット証券の口座開設数の増加、富裕層向けラップ口座の開設など様々な金融サービスによってマネーの流動性が高くなってきている。M&Aも目に見えて増えてきた。

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■ 「グローバリゼーション」は「一蓮托生・呉越同舟」を強いる。つまり、とても早いのだ、動きが。そんな状況にも関わらず、日本人は金融分野(株式・債券・投資)での知識が乏しいとIMFから警告を受けている。これはやっとこさ景気が上向いてきた日本にまた「バブル崩壊」でもされたら「世界が困るんだよ!」という意味だろう。

◇ ◇ ◇

■ 内閣府は経済教育サミットで今年を

「経済教育元年」

と宣言した。
 過ちを繰り返さないためには「シミュレーション」をつむしかない。特に若い世代には「知」を身につけて「自己防衛」と「システム継続」の両輪を担ってもらいたいという意図があるのだろう。
 世の中の仕組みを早い時期から学んで自分の人生に最も影響してくる「世界」を垣間見る。あたりまえだが、今までそれがなかった。
 先に示したアメリカでは良きも悪きも教育機会が全年齢型で提供されている。「選択」が用意されているのであとは自分次第だ。

◇ ◇ ◇

■ 民間では様々な「講座」や「セミナー」が行われ、盛況だ。だが、「親子参加型」のものは数が限られてくる。実家に今も住んでる自分が思うに、そういう講座が早くから存在していたら

「家族としての資産運用」

という視点がもてたのではないだろうか。
 今後も風雲急告げるがごとく経済情勢は変わっていく。その荒波を乗り切るには「家族団結」という絆を「精神論」ではなく「知の共有」で強めることも必要ではないだろうか。それでなくとも激変する時代がすくそこまで迫っているのだから。
 そのためには

親子参加型か全年齢型の講座がいつでも選択でき学べる

状態をインフラとして整備すること。それが必須であることは間違いない。

 

[参考記事・参考放送・参照URL]

日本経済新聞「経済教育元年 官民走る」より

R25「「日本人の71%は投資に無知」ってどういうこと?」より
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