| §23 文化を知るにはやっぱテレビだろ♪ −エミー賞 受賞式をみて− |
by 岡部憲治
2005/09/20
■ 最近、ハリウッドが「映画の都」ではなくなりつつあるという記事を目にした。確かに「マトリックス」や「ロード・オブ・ザ・リング」などがオセアニア地域で撮影されたのは有名な話だ。もっともそれは経費が主な問題なのだろう。しかし、それ以上に重要なのは「コンテンツの枯渇」だ。実際、最近のハリウッド映画ではリメイクや続編物の宣伝を多く目にする。それもあってか今年の興行収入は過去20年間で最悪ということだ。
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■ そのような状況からも邦画のリメイクが今年は話題になった。「リング」、「Juon (呪怨)」、「Shall We Dance?」など日本でもヒットした作品が本場でもそれなりにヒットした。今後も色々とリメイクされるようだが、創り手によってどのように変化するかは楽しみだ。
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■ 映画業界がコンテンツ不足だからといって映像産業全体が落ち込んでいるかというとそうでもない。テレビ業界の方は元気がいい。幸いにも第57回エミー賞をリアルタイムで見てそれを感じた。エミー賞は"Television Academy" と言われており映画ではなくテレビで放映されている番組に贈られる賞だ。実際、アメリカでは「9月にエミー、3月にオスカー」という感覚ではないだろうか。
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■ エミー賞でもアカデミー賞同様にレッドカーペットに様々なスターが登場し、颯爽と会場入りする。その顔ぶれはアメリカのテレビ好きにはたまらないメンバーだろう。プレゼンテーターとして「24」のキーファー・サザーランドや「Desperate Housewives」の5人の主人公たち、コメディーで活躍しているチャーリー・シーン、夜のバラエティーショウでおなじみのデビッド・レターマンなどが登場すると見ているこちらまで歓声をあげてしまった。「Apprentice」でおなじみの不動産王ドナルド・トランプが農夫の格好で出てきたのにはご愛嬌だ。
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■ エミー賞もアカデミー賞のように色々なカテゴリーが設けられているが、特徴的なのは以下のようだろう。
−コメディー シリーズ
−ドラマ シリーズ
−リアリティ・コンペティション プログラム
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今年、ノミネートされた番組は
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コメディ シリーズ
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−Arrested Development
−Desperate Housewives
−Everybody Loves Raymond
−Scrubs
−Will & Grace |
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| ドラマ シリーズ |
−Deadwood
−Lost
−Six Feet Under
−24
−The West Wing
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リアリティ・コンペティション
プログラム |
−The Amazing Race
−American Idol
−The Apprentice
−Project Runway
−Survivor |
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となっていた。どのくらいご存知だろうか。コメディ シリーズもドラマ シリーズも2本ほど日本では放映しているが、リアリティ・コンペティション プログラムの「サバイバー」は既に放映していないような気がしたので1本もないことになる。
今秋には「LOST」が登場だが、すでにウォルマートでは45ドルくらいで1stシーズンのDVDが売っていた。
コメディ シリーズの「Desperate Housewives」はこちらではかなり話題で5人の主人公の女性の一人、Eva Longolia はよく芸能番組でも追っかけられているいわゆる旬な"セレブ"だ。
個人的には一番大好きな「Everybody Loves Raymond(日本題:ヘイ!レイモンド)」が今年、9年目にして放送終了となったのが非常に残念だ。日本でも人気があった「フレンズ」が7年で終了したことを考えればその人気のほどが伺える。
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■ 各賞が発表されるなかで、「いまだ現役!?」というような俳優さんたちもいた。例えば、ウイリアム・シャトナーだ。現在、「Boston Legal」というドラマで活躍中だが、自分のなかでは「スタートレックのカーク船長」というイメージが定着している。まさか未だに出演されているとは驚きだ。ミニシリーズではあるがポール・ニューマンも現役で出演していた。日本では「今は昔」とされている役者さんが現役で活躍されているのは非常にうれしいことであるが、それが日本で見れないのは残念だ。
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■ また、日本ではそれほど知られていないコメディアンや俳優・女優が山ほどいる。先ほども挙げた「Everybody Loves Raymond(日本題:ヘイ!レイモンド)」のレイ・ロマーノ、ブラッド・ギャレット、ドリス・ロバーツなどは日本では顔も想像できないだろうが、アメリカでは誰でも知っているのではないだろうか。いや、実際、オーストラリアにホームステイしていたときも「これが一番人気のある番組なんだ」とホストファミリーに紹介されたくらいだから世界中で放送されているのかもしれない。
つまり、日本(あるいはアジア?)だけが知らない役者さんたちなのかもしれない。
その他、10年以上続いているファミリードラマ「7th Heaven」やスーパーマンの高校時代を描いた「smallville」など日本では知名度ゼロだろう。
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■ 今回、趣味の世界をまっしぐらに書きながら、実は意外と「外」からの情報が入っていないことをこちらの(アメリカの)テレビを通して感じた。つまり、ニュースの報道など経済・政治・軍事などグローバルに影響を及ぼす事柄には「時差」がほとんどないのだが、それ以外の各々国々が持つ文化を反映するテレビ番組の情報が少ないのだ。
テレビだけではない。洋書が訳されるまでの「時差」も気になった。例えば、現在、人気の「第8の習慣」などは訳書がでるまでにどのくらいの時差があったのだろう。たまたま訪れた書店だけかもしれないが、「今、話題で売出し中」という感じではなく、すでに棚の1冊に普通に収まっていた。
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■ ニューズウィークの記事によれば、2015年には人口の半分が英語を話す状況が到来するということだ。つまり二人に一人は英語を話せるのだ。日本でも「スキルとしての英語」はこの10年で身につくかもしれないが、世界の英語圏で共有されている「ドラマ」や「コメディ」があまり放映されていないことは文化を知るうえでは重要なソース不足ではないかと感じる。
文化を知るには現地で生活することが一番だが、手っ取り早く感覚を共有する手段として「ドラマ」や「コメディ」を見るのも一つだろう。
ゆえに、ビジネスとしての採算もあるだろうが「文化共有」という意味でも、もっと多くの「ドラマ」や「コメディ」が放送されることが望ましいのではないだろうか。
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PS この時期、シーズンプレミアを迎えるシリーズが山ほどあるが、新しく始まった「Supernatural」は展開次第ではイケメン兄弟のゴーストハントという感じでブレイクするかもしれない。
[参考記事・参考放送]
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毎日新聞「ハリウッドにかげり…映画制作費高騰でロケ減少」より
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| ○ |
時事通信「映画界は20年来の不入り=観客はリメークや続編に失望」より
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読売新聞「世界の英語人口、今後10年で約30億人に…米誌」より
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[参照URL(注:US YAHOO! の紹介ページへのリンク)]
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