| §15 メディアの多様化がもたらす情報格差とその是正 |
by 岡部憲治
2005/07/29
■ インターネットのインフラも整いつつあり、アナログ→ADSL・CATV→FTTHに移行しつつある。線が太くなればなるほど一度に送受信できる情報も多くなる。
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■ そういう時期も見定めてか、次々と放送局がネットを使用した番組配信をはじめる。今まで制作した番組がそのまま再利用できるのだからまさにコンテンツ事業の王道だ。
利用者側からすれば、はるか遠い昔から言われていたVOD(ビデオオンデマンド)いや、COD(コンテンツオンデマンド)がやっと実現するわけだから便利の対価として多少の負担は当然かもしれない。
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■ ビデオオンデマンドではないが、最近アメリカではNETFLIXというオンラインDVDレンタルという形態のお店がある。インターネットで指定のDVDをレンタル注文すると郵便で配達され、返すのは専用封筒のなかにいれて自分のポストに入れておくだけ。あとは郵便屋さんが回収してくれる。月契約で最安プランなら9.99ドルだ。お店まで出向く必要もなければ時間を気にする必要もない。ビデオオンデマンドまでのつなぎ的な形態かもしれないが地理的に広いアメリカでは非常に有用なサービスと言える。
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■ で、本命のネット配信だが、実は自分がネットによる番組放送を見たのは1999年の頃だった。FOX NEWSの24時間ライブニュースで、コマーシャルごと24時間ライブで見ることができた。自宅にはそのころからケーブルテレビインターネットを導入していたので、当時としては快適そのもので、画面は小さいもののあちらの放送をそのまま見れるというのが非常においしかった。
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■ 他にもCBSやABCやCNNなど色々な放送局がインターネット放送を行っていたと思うが時が経つにつれ、いつのまにか有料制へと移行していった。先述したように、日本の主要放送局でもネットを使った番組配信が始まるが基本的には有料だ。ビジネスモデルとしてはまぁ〜それが普通なのだろう。
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「何かを得るためには同等の代価が必要となる。それが○○術における等価交換の原則だ。」 |
ということか。
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■ そんななか、驚いたのはCBSが無料でニュース映像を24時間配信すると発表したことだ。広告収入によるビジネスモデルで進む戦略だ。最新のものから過去のものまで2万5000本の映像を無料でみることができる。膨大な映像データベースはそれだけで知の集積であり色々な意味で役にたつ。
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■ NHKの番組でもう一度見たかったり、見損ねた番組がいっぱいある。多少は放送ライブラリーやNHKアーカイブスで視聴が可能だろう。ネットでも少しは見ることもできるようだがまだまだ過去の蓄積された膨大な放送内容を見ることはできない。
放送受信料で番組の制作が成り立っているのであれば、ネット配信のコストも含めて安価な料金で全ての過去の放送内容を提供していただけると、色々なところで活用することができるのではないだろうか。個人的視聴はもとより教育への融合も可能だろう。
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■ そしてネット配信の番組に対する視聴率というものが定着化してくると、今のテレビ放送の視聴率はどのような意味をもってくるのだろうか? 視聴率はスポンサーである広告主に対してどれだけの広告料を提示できるかという一つの指針だ。そう考えると、テレビ放送という枠組みの視聴率とネット配信という枠組みの視聴率の差異はどのように位置付けられるのだろうか?
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■ テレビ放送の視聴率は確かサンプリングによるものだったと記憶する。じかに一家庭一家庭ごとの視聴状況を把握しているわけではないと思ったが。ネット配信の場合の視聴率はどうなのだろうか?ホームページのVisit 数や Hit数と同じであれば、アクセスしてきた実値数で考えることができるわけだが、パーセンテージにした場合、テレビ放送とどのような比較が成り立つのか。あるいは比較すること自体が無意味なのかもしれない。
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■ ただ、将来的にはメディアの融合が起こってくるわけだから、それまでの間は広告主はコスト増な可能性がある。反面、視聴者側からすればその潤沢な資金によって多様なサービスという形に変換されて還元されてくる可能性がある。そしてその還元形態の一つに「ニューメディアの教育への無償提供」という選択肢があってもおかしくないだろう。
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■ そういう意味でCBSのとったビジネスモデルは大きい意義をもつ。オカベの目「§14マルチタスクな子どもたち」で参照した記事のタイトルは
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「情報格差が学校の宿題に!? 多く宿題を出しても学力は上がらないとの分析発表」 |
だ。そう、「情報格差」だ。これは個々家庭の経済的事情からでも起こりうる。少なくとも人生におけるチャンスをつかむためには「情報」」という武器は必須だ。そしてそれを手に入れる機会の差が開けば開くほど社会の構造は階層化の道をたどりかねない。
■ ソフトウェアの販売に「アカデミックライセンス」という優遇措置がある。あれは「情報」ではないがテクニカルスキルの差を少しでも是正しようという傾向の証と考えられる。ソフトウェアであれば、一応、店頭でも販売され目に見える形でわかりやすい。だから、それに対する「価格が高い」という声が労働収入の少ない学生や教えている先生から上がる。そして結果として「アカデミックライセンス」だ。
■ だが、「情報」はどうだろう?目に見えているようで煩雑化しおり、常にアップデートだ。それに対する「声」はあがりにくいのかもしれない。
特に、日本社会は高齢化を迎える。ならば、それを支える役割を負わされる子どもたちあるいは若い世代に少しでもチャンスの機会を与えるのが筋だと感じる。そういう意味での「情報の無償化」、特に「ニュースなどのアップデートな情報」は
してもらいたい。そしてそれを実現化するためのビジネスモデルを専門家に考えていただければと心より切望する。
[参考記事・参考放送・参照URL]
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