| §12 肌身に感じる IT進化 −節約のためのスキル− |
by 岡部憲治
2005/07/22
■ 今年の3月ごろ、ある友人に頼まれて旅行パック(飛行機チケット+ホテル)をインターネットで予約した。少しバックパッカーなところもある彼は渡航先のアメリカまでの国際線の飛行機は某旅行会社から格安チケットを購入し、普通ならそのままホテルや国内線(ドメスティック)の飛行機チケットまで一緒に購入しそうなものだが、「アメリカ国内で購入した方が安いのではないか」と考えた。
そして、白羽の矢が飛んできた。彼ももちろん英語はできるがネット上でしかもクレジットカードが絡んだ入力までは「ほんとに正しいのだろうか」というちょっと自信なさげな状態であった。
◇ ◇ ◇
■ で、アメリカでそれなりに名の知れてるインターネット旅行会社(つまり、店舗は持っていない)を見つけて彼のサポートとして一緒に予約をした。ここで私がうっかりミスをしてしまったことがその後の苦労につながるのだが。。。
フォームに色々と入力して、インフォメーションいれて「はい、OK」とボタンを押して完了。
『なんだ、めちゃくちゃ簡単じゃん(♪)』と意気揚々な自分。そして横にいた友人が
「これで終わり?」と尋ねてくる。
「OK、OK、問題なし。」と答える自分。で、入力した中身を彼が丹念に確認すると、
「あれ?名前、ローマ字、一文字ちがうよ?」
「え?……あぁ〜!!」みるみる青ざめてしまった。
そう、日本語で「つ」はローマ字で「tsu」なのだ。それを調子こいて「ふんふんふん♪」と打ち込みながら「tu」でスルーしてしまったのだ。
「でも、別に一文字くらい違っても平気でしょ」と軽く尋ねる友人。そして言葉のない自分。
「OK、OK♪ ま、なんとかなるでしょ。」とダメ押しな言葉を浴びせられ
『あうあうあう (ノД`)ヽ(゚Д゚≡゚Д゚)/(Дヾ)』な状態で
『すでにクレジットで購入済みな状態でどうすんだ? 発行されちゃっただろ?(汗』
と心のなかで動揺を叫ぶ。
◇ ◇ ◇
■ パスポートと一文字でも違うのはこのチェックが厳しいご時世、後々、面倒に巻き込まれる可能性もあるので、確かな方法はわからないものの
「とにかく、訂正しておくよ。」
ということでその場は終わった。さぁ、大変なのはこの夜。
まずは、そのインターネット旅行会社の方に事情説明のメールを打つ。時差の関係もあるのか6時間後に返答があった。その後、何度かメールのやりとりをして「どうにかならないものか」という内容に
「飛行機のチケットはクレジットカードで購入した場合、その時点で発行されてしまうので航空会社に尋ねていただくしかありません。」
まぁ、うすうすはわかってはいたものの
「あちゃ〜…」
だ。
その航空会社のホームページを探して、そのような場合はどうするのかというページを探したが見当たらない。チケットに関するメールでの問い合わせもない。あるのは電話番号だけだ。
国際電話が安くなったとはいえ、こういう問い合わせの場合、結構待たされることがあって少なくとも20分くらいは見積もっておかないとだめだろう。自分のサポートミスとはいえ、20分の国際電話代を払うのも癪だった。
◇ ◇ ◇
■ ここで『いい機会だから購入してみよう』と思ったのが「スカイプ(アウト)」だ。スカイプは既に使用していたから使い勝手はわかっていた。だが、あくまでスカイプを導入しているPC同士での使用で、お互いどこにいようと通話料が無料というところが魅力だった。
PCから普通の電話にかける場合は「スカイプアウト」というプリペイドカードのようなものを購入して使用することになる。で、10ユーロ分購入した。
驚くべきはその通話料の安さだ。普通、「通話先」「通話元」などによって通話料が変わるが、スカイプアウトの場合「通話先」のみで、アメリカなら1分 1.7ユーロセントだ。つまり、1分3円くらいだろうか。使用したことのある方ならわかるだろうが、かなり高音質で固定電話とほとんどかわらない。
◇ ◇ ◇
■ スカイプといえば、スカイプ・テクノロジーズというルクセンブルクの会社が開発した。
ルクセンブルクといえば神奈川県とほぼ同じ大きさで人口は約45万人。3ヶ国語を公用語(ルクセンブルグ語、フランス語、ドイツ語)とし、正式には「ルクセンブルク大公国」。外務省とWikipediaのHPによれば、
−失業率は上昇傾向にあるものの、EU域内で最低(2〜4%台を維持)
−1人当たりのGDPは世界一
(OECD統計で2002年50,600米ドル。日本は27,000米ドルで第15位)
−立憲君主制。国家元首は大公。現在では唯一の大公の位を有している。
−国の標語 : Mir welle bleiwe wat mir sin
(ルクセンブルク語: 我々は今ある状態を保ちたい<我々は独立していたい>) |
で、ベネルクス3国のうちの一つでオランダから独立している。1人当たりのGDPは世界一なのに国全体としてのGDPではベスト50にも入ってない。
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金融サービス及びその他サービス業が経済構造を支えている。 |
ということがその差を生み出しているのだろう。そんななかでの「スカイプ」の世界的普及は「EUの守護聖人(The EU's Patron Saint)」と言われたロベール・シューマンとヒュ−ゴー賞でも有名な「SFの父」ことヒューゴー・ガーンズバック以来のルクセンブルクの名を高める出来事だろう(最近では、EUの憲法条約批准同憲法では大差で承認というニュースもあったが)。
◇ ◇ ◇
■ さて、話を戻し、そのスカイプアウトを使用して航空会社に電話した。ここで一つだけ課題が!!!
カスタマーサービスの場合、問い合わせ内容によってたいてい
「プッシュホンの何番を選択してください。」
というシステムになっているが、スカイプのダイヤルパッドの場合、「音」がでないのだ。
『購入は無駄だったかぁ?』とほとんどガクリな状態で待っていたら、そのまま先に進んでいったので助かった。そして、ほんとうに驚いたのがこの後だ。
普通ならすぐにカスタマーサービスのオペレーターにつながりそうなのだが、そうではなかった。
「フライト はいつのご出発ですか?」
「フライト はどこからご出発ですか?」
「フライト の到着地はどこですか?」
「コンファメーションナンバーを言ってください。」 |
などの音声メッセージが流れるのだが、それに実際にこちらが答えていく。ほとんどは一発で通ったが、時々「もう一度言ってください」と音声指示があるので言い直す(でも、それも2回目でパス)。
つまり、こちらのしゃべった言葉をコンピュータが自動で判断して、テキスト化しているのだろう。言うなれば、IBMの「Via Voice」のように音声認識ソフトのような機能によって情報を事前に取得し、最後の段階で実際のカスタマーサービスのオペレーターにつなぐのだ。
当然、こちらの解答はデータベースに蓄積されるのでオペレーターの迅速な回答にも繋がっていく。まさにITによる業務の効率化だ。
◇ ◇ ◇
■ 今回の件は最終的にオペレーターに事情を説明して事なきを得たのであるが(ε=( ̄。 ̄;A フゥ・・・)、 3、4年前だったら電話代はもっとかかっただろうし、最初から最後まで口頭で説明してもしかしたら日程や人数、目的地のところで誤解が生まれたかもしれない。だが、今は電話代も安く、確認事項のところでは間違いも生じにくい。
ひょうたんからこま というわけではないが、本当に日々ITが進化していることを身をもって感じた出来事であった。
■ 「読み・書き・そろばん」と同じように「英語・IT・ファイナンシャルリテラシー」が社会に出てから重要と言われて久しいが、なかでも「IT」スキルは情報発信側としてのスキルももちろんだが、生活していくうえでの節約術としてのスキル(使いこなし)も重要だ。使いこなせば使いこなすほど費用が抑えられる抜け道があるのだ。
例えば、今回、活躍したスカイプは電話会議機能もあり最大5人で同時通話可能だ。実際、ユーザーは170ヵ国以上、公称4300万人以上とされている。また、同時通話で100万人以上が使用している。「skype me」にチェックをいれておけば、世界の誰かからいきなり電話がかかってきて、おしゃべりがはじまることもある。
「050」という番号も付与される予定ということで2、3年後にはIP携帯電話はあたりまえの世界になっているかもしれない。
無線LANを利用するのであれば,基本的にはプロバイダーに払っている料金でIP電話の通話料は無料のはずだが、経営上、通話料は取られるかもしれない。だが、今の携帯電話のようなバカ高い料金ではないはずだ。だって、基本的にはインターネットにつないでいるだけなのだから。
というのを目指してほしいと個人的には思うのだが。
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