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by 岡部憲治
2005/07/19
■ 最近、東京大学大学院情報学環教授 馬場章さんのインタビューとその関連記事を読んだ。「シリアスゲーム」という概念は初耳だった。だが、最近ダウンロードが急増している、スマトラ島沖地震の復興支援をモデルにした世界食糧計画(WFP)のインターネットシミュレーションゲームはまさしくこの類に入るのだろう。時事通信の記事によれば、
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4月中旬の公開以降、75万人がダウンロードし、非娯楽系ゲームとしては異例の人気となっている。ゲームを通じ、飢餓や人道援助に関心を持ち、理解を深めてもらうのが狙いで、WFPも日本事務所も利用者の拡大を期待している。
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ということだ。このゲームはFood Forceと呼ばれており専用HP(http://www.food-force.com)よりダウンロードが可能だ。
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■ インタビュー中でいくつかのゲームが紹介されている。「太鼓の達人」はしていないが、「ダンスダンスレボリューション」はゲーセン通うわ、マットまで買って家で一人ダンダン響かせ「やっかい村のやっかいさん」になっていた。
「桃太郎電鉄」はたしかにいろいろと地域の名産物や都市の名前という地理学的な要素と会社を売買していくという経営学的な視点(ただし買収が主)を覚えた。いわば人生ゲームとモノポリーと男子なら子供時代に一度は興味をもつ鉄道を組みあわせたものだ。
おもしろいから何度も何度も繰り返しやってコツをつかむ。いつの間にやら、どこに何があるか覚えてしまった(今は忘れてしまっているが。)
「信長の野望」や「三国志」なんてすでに10作品を越えてるのではないか(汗? 私がプレイしたのはスーファミの頃なのでそのころに比べれば色々な意味でレベルアップしているのだろうなというのはわかる。だが、あまりにも時間がかかりそうなので老後の楽しみの一つとしている。オンラインに至っては手を出したら戻って来れない気もするので「ガクガクブルブル」な状態だ。携帯オンラインで参加するというのもあるようだがこれも深みにはまりそうで怖い。
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■ インタビューで語られている教育的効果4段階は非常に興味深い。
| 1)「モチベーションを作る」 |
| 2)「知識が増える」 |
| 3)「歴史に対する認識を深める」 |
| 4)「人間の行動様式に対する」 |
「基本となる動機付けがあり、知識を増やし、認識を深める。そして人格形成へ結びつける、この一連の過程が教育的効果だと考えています。」
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このうち、私は3)までは経験しているが4)はしていない。先述したようにこれは膨大な時間を要するので学生時代にオンラインが全盛であったらハマっていただろうなと思う。
なるほど、入出力を含めたサーキュレーションの組み合わせが単純な知識投入と競争原理、またその知識の範疇である「社会に出るために必要なスキルとコミュニケーション力」というのを越えてしまっているのがおもしろい。
もちろん、ゲームは補助的な役割だとは思うのだが最近の未成年の犯罪増加やいじめやひきこもりなどを耳にする度、実社会だけでなくその補助的な役割としてのゲームもバカにできないなとも感じる。
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■ ゲーム脳に関しては名前だけが先行していたので、馬場さんの話は興味深かかった。テレビと人類の歴史、ゲームと人類の歴史、そして日本では昔「マンガばかり読んでいるとバカになる」とステレオタイプなことが言われていたことを考えれば納得であった。
羽生さんの脳研究を別の番組で見たことあるが、将棋のある局面の解答が1つしかない場面で2秒で答えを出していた。世界を変える学習のあとがきでも記したが、「大局観」からくるものなのだろう。だが、大局観というのはある意味、普通の人が時間をかけて脳を働かし考えを出すという行為を自動化されたことによって瞬時に行うのだから両者の脳の活動を比べたら、大局観を持つ人はあきらかに「ゲーム脳」といえるのかもしれない。
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■ 海外でクロスワードパズルを暇つぶしにしている旅行者をよく見かける。日本でも時々見かけるがその比ではない。ペーパーバックかクロスワードは旅行の必須アイテムのように感じられるほどだ。クロスワードといえば、まさにクラシックなゲームでありその作成には相当時間が費やされるのではないだろうか。まさに作り手と解く側の勝負だ(ゲームだ)。日本でもピクロスというゲームがはやったがクロスワードパズルの発展形なのだろう(ピクロス=ピクチャークロスワード)。最近、イギリスの英紙タイムズでも日本の数独パズルがブームだそうだ。段々と脳の働きが解明されるにようになって「脳力」アップ系のものが日本だけでなく世界的にもブームなのかもしれない。
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■ クロスワード系以外でも「テトリス」や「ぷよぷよ」のような落ちモノパズル系(?)や「I.Q」や「サイ Xi [sai]」 などのように瞬時の判断力と計算力、論理力が問われるゲームはプレイするだけで訓練になるのだろう。
実際、10年以上前になるが大学在学時にAnthropology(文化人類学)のコースを取ったがその課題の一つにPCによるシミュレーションゲームのクリアがあった。内容はあまり覚えていないが要は自分の領地の人をいかに増やすかというものだったような記憶がある。これは実際の人口増加に伴う社会形成のトレースとシミュレートを兼ねた役割を持っていたのだろう。
最近、財務省のHPに「予算編成ゲーム 〜財務大臣になって予算を作ろう」という簡単なシミュレーションゲームのページも掲載された。また、金融庁は文部科学省と連携し小中学高の社会科の授業に金融経済教育を取り入れ、特に中・高校生には金銭株取引を疑似体験できるゲームを利用した授業を行うことを検討している。
■上記のゲームなどはどちらかというと繰り返しトレーニングによる知識とスキルの部分への寄与が考えられるが、オンラインゲームはMMORPG(Massively Multiplayer Online Role-Playing Game)と呼ばれていることからもわかるようにそれに加えてコミュニケーション力と戦略力がつくと考えられる。
そういう意味で先の馬場さんの提唱するような教育的効果4段階が、より一層補強的なものとして成し遂げられるのかもしれない。
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■ 総じて、
ゲーム=有害
というイメージはあまりにもひよっているのではないだろうか。例えば、インターネットは便利な反面、マイナスの側面を見れば情報の氾濫や漏洩、犯罪、クラッキング、ウイルスなど後をたたない。ネットでの集団自殺の呼びかけなどインターネットのない時代には想像もつかなかったことが現実には起こっている。逆にネット上のチャットや掲示板の書き込みで救われている人たちもいる。
なんでもそうだがプラスの側面とマイナスの側面を見極めて、バランスのよいつきあい方を考えることが大切なのではないだろうか。
■ 何はともあれ、馬場さんのオンラインゲームの実証実験はおもしろそうだ。2007年の結果発表にはまだ時間がかかるが
という仮定が実証されれば、テレビ、マンガ、ゲームに続く
という新たなつきあいが認識されてくるのかもしれない。それにしても参加できる学生さんがうらやましいものだ。
※ MMORPG(Massively Multiplayer Online Role Playing Game)− 大規模多人数参加型ロールプレーイングゲームや多人数同時参加型ロールプレーイングゲームなどと訳されている。MMORPGの参加者は社団法人コンピューターエンタテイメント協会(東京)の推計では約295万人(2004年)。
※ RPG(Role Play Game)の説明はここを参照。
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