| §9 「ネットの匿名性」が及ぼすNew SAT®& Next Generation TOEFL® への傾向 (1) |
by 岡部憲治
2005/07/12
■ Yomiuri Weekly にて連載中の小田嶋隆さんのメディア評「ワイドシャッター」を目にした。「テレビの取材力」というテーマで、インターネットの登場により
・テレビ局のスタッフが資料室で見つけてきたレベルのトリビアは、もはや、無価値なのだ
・文献を当たったり資料を収集したりするタイプの取材力に関しては、ちょっとウデに
覚えのあるネットオタクなら誰でも身につけている
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と述べている。なるほど、確かにネット上には様々な情報があって、あとはそれをいかに迅速に探し出すかというスキルの問題だ。そして
イコール
「文書情報の収集量や資料の分析力を武器に業界を渡ってきたジャーナリストや
評論家の見識は、もはや匿名のネットワーカーと同等」
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と結びつけるのは時代の流れを反映しているのかもしれない。
◇ ◇ ◇
■ 以前だったら大量の資料をそれこそ複数の図書館や史料編纂室を渡り歩き、膨大な時間をかけて調べていたことが今ならネットによってかなり時間が短縮される。
つまり、ネットとツールが素人とプロの情報差やスキル差を埋めてきているのだ。例えばツールならアプリケーションソフト。今となっては誰もが使えるPhotoshop(フォトショップ)やIllustrator(イラストレーター)などは、発売当初、本当にプロ専用のツールだった。いつのまにか、様々な参考図書、講座がそろい、ネット上にはテクニックが解説されたりもしてその裾野はどんどんと広がり、加えて廉価版も出たことで爆発的にユーザーが増加した。
アナログ作業が主流だったマンガでさえ、Comic Studio(コミックスタジオ)というアプリケーションソフトの力でずいぶんと楽になってきている。
(なにしろ、枠線引きやペン幅の変更やトーンの貼り替えなどがすぐにできるのだから。)
◇ ◇ ◇
■ そういう意味で小田嶋さんは文書情報や資料などによる「取材力」に対して、原点に返った「取材力」が重要だと言っている。
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自分の足で現場に行って、自分の目で現場を見て、自分のアタマで考えたネタ以外は、情報価値を喪失してしまった。
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つまり、
が大量に情報が氾濫する時代のなかで唯一のオリジナリティーを生み出し価値を創造するということになるのだろう。実際、それは色々なところに反映しはじめており、社会に出る前の学生時代には新しいテストの傾向を通してそれを実感することになる。その例としてNew SAT® や Next Generation TOEFL® などが挙げられる。
◇ ◇ ◇
■ 2005年の3月より新しくなったSAT®(I)は、今までVerbal section(英語)とMath section(数学)の2教科で800点満点×2 = 1600点満点というスタイルだった。それがWriting section(ライティング)、Critical Reading section(クリティカルリーディング)、Math section(数学)の3教科に変わり800×3 = 2400 点満点になった。
具体的にみると今までのSAT®(I)では
| Verbal |
| Sentence
completions |
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Analogy |
| Critical Reading
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| Math |
| Arithmetic(計算) |
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Algebra(代数) |
| Geometry(幾何) |
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それが、以下のようになった。
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Writing Section
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1 essay question
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Multiple-choice questions |
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| Critical Reading |
Reading comprehension
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Sentence completions
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| Paragraph-length critical reading |
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| Math section |
Numbers and Operations
(四則演算) |
Algebra & Function
(代数と関数) |
| Geometry(幾何) |
Statistics, probability and data analysis
(統計、確率、データ分析) |
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やはり、Writing section が設けられたのは大きな特徴だ。ニューヨークタイムズの記事によれば、この3月にニューヨーク州で3万人の生徒が受けたわけだが、受験している側もどのようなことをエッセイで求められているのか、また、大学側もその結果をどのように利用するかというところで暗中模索のようだ。
採点する側のCollegeBoardも30万件のエッセイを10日で読み、スコア化したということで今後の運用面でもどこかで何がしかの改善点が出てくるかもしれない。
◇ ◇ ◇
■ 前回の文章でも少し触れたが(§8 参照)、留学生には必須のTOEFL®も今年の9月から新しくなる。今までのPaper based TOEFL®(以下PBT)、Computer based TOEFL®(以下CBT)に代わって、Internet based TOEFL®が実施される(※1)。名前のとおりインターネット経由で受験することも可能のようだが、なんといってもテスト内容の変化には一目おきたい。
| PBTのテスト内容 |
| Listening Comprehension |
| Structure and Written Expression |
| Reading Comprehension |
+
TWE(Test of Writing English) |
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| CBTのテスト内容 |
| Listening |
| Structure |
| Reading |
| Writing (※2) |
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| iBTのテスト内容 |
| Listening |
| Reading |
| Speaking |
| Writing |
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ライティングが独立したセクションとして構成され、スピーキングが加わった。「Integrated skills」 というキーワードが使われ、まさに「総合力(※3)」が試される形となった。例えば、スピーキングの問題だと単純に「次のことを説明しなさい。」とか「あなたの意見を言ってください」というような形式を想像しがちだが、それに加えて「Reading、Listening、Speaking」の3つの力(スキル)を複合した問題も構成されている。まさに総合的な英語力だ。ライティングも「Reading、Listening、Writing」の3つの力(スキル)を複合した問題が出題されるようだ。
要するに、今までの通り一辺倒なやり方では通用しなくなってくる。実際、TOEFL®を作成、運営しているETSのHPでも
The new test will also impact the teaching and learning of English worldwide.
(英語の教授法と学習法に多大な影響を与えることがみこまれる。)
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と記載されている。
(※1)まずはアメリカでスタートし、日本ではまだ未定だが2006年以降実施されるのではないかと予想される。PBT、CBTに関してはiBTが完全実施となるまで継続が予定されている。
(※2)WritingがStructure sectionの一部として構成されている。
(※3)Integrated skillsを「統合された力」と直訳するのとニュアンスが違うので「総合力」とした。)
[参考記事・参考放送・参照URL]
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Yomiuri Weekly 2005 6 26 小田嶋隆のメディア評「ワイドシャッター」−テレビの取材力− より
The NewYork Times:April 17, 2005「Students' Verdict on the First SAT® Essay Test? Uncertainty」より
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