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§8 ドラゴンと言えば。。。「桜」?それとも「タイガー」? →今日からスタート「ドラゴン桜」

by 岡部憲治
2005/07/08

■ 今話題のマンガ 「ドラゴン桜」と言えば、説明する必要もないだろう。「東大合格請負漫画」と銘打ってるところが笑える。
 が、実際、担当編集の方が灘高から東大卒でその人の勉強方法や後輩の現役東大生に取材した勉強方法が載っていたり、予備校が協力していたりと奇抜ではなく実績のある戦略で攻めていこうというのだからリアリティーがある。

◇ ◇ ◇

■ 主人公たちが東大理科I類を目指すにあたり、全ての勉強戦略に対する理屈が比喩というかアナロジーで表現されており、わかりやすい身近なことに置き換えられている。
 今までの「勉強の仕方はこうするのが普通だ」と思われていた「あたりまえ」のことを「あたりまえとしない」視点で説きなおしているのが色々なところで話題となっているのだろう(実際、それで受かっているわけだし)。

◇ ◇ ◇

■ 確かに非常にわかりやすい。まわりのマンガを読んだ友人でも「あーあー、これ読んでから受験勉強したかったよなぁ。」と言う声もあった。「東大と言えばアタマがいい人の話で自分とは無縁」という一種、閉じられた世界のことを、なんとなく「あ、もしかしたら。。。」という夢を持たせてくれる意味では「ドラゴン桜」の功績は大きいかもしれない。

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■ よく、目的もなくただ東大を目指すのはマイナスなイメージで捉えたりもされているが、日本で何かをする上でその肩書きをもつことはマイナス方向には働かないだろう(ただし、スノッブになられるのは困るが)。しかも、日本の場合、卒業よりも入学できたかの方が重要視される傾向にあるわけだし。
 実際、最初から目的があって大学に入学するというのは若いのに目標があってすごいことだと感じる。アメリカの大学の場合、日本の大学の1、2年次はGeneral Education といって学部が入学したときから決まっているわけではない。自分の場合、入学時には、月並み、経済かビジネス方面に進もうと思っていたわけだが、社会学のおもしろさにはまって結局、そちらの学部に進んでいった。
 つまり、最初から目的の学部などなく大学に進学したのだ。

◇ ◇ ◇

■ もう少し踏み込んで考えて「ドラゴン桜」ならぬ「ハーバード桜」というのはあり得るのだろうか?日本のようなマンガ文化はアメリカにはないが、映画ではハーバード大学絡みといえば「キューティ・ブロンド」、「きっと忘れない」などが浮かぶ。ただ、それは合格方法や試験突破どうこうより在学時の学生生活が描かれている。シーズンが全て終了となった「アリーマイラブ」のアリーもハーバードのロ−スクール出身という設定だったが学生時代の色恋は語られていても入学に関しての話はない。
 複合民族国家のアメリカで、しかも統一模試だけで入学の合否が決まらないハーバード大学などは「ドラゴン桜」のような話は成り立たないのだろう。

◇ ◇ ◇

■ キャリアデザインの一つの方向として「大学」というものを重要視するのであれば、その入り口の部分である「入学」に対して何をすべきかを考えるのが先決だ。
 例えば、推薦枠や一発試験で受かる日本の大学を目指すのか、それともTOEFL®やSAT®などの英語のハンデを乗り越えてもアメリカの大学を目指すのか、あるいはインターナショナルバカロレアを取得して欧州の大学を目指すのか。どこの国の大学を目指すかでその方策も変わってくる。
 そういう意味で「ドラゴン桜」は「戦略思考」を前提とした最短経路のためのマニュアル作成術を提示してくれているようにも思える。自分の目指す大学がすでにあるのであれば、その大学が日本であれ世界であれ、まずは「最短経路のマニュアル」を作成するための「戦略思考」を身につけることが大切なのかもしれない。
 一つ例を示せば、アメリカであればTOEFL®は避けられないと思われるかもしれないが、最近は英検2級で受け入れてくれる大学もあって、そこからトランスファー(編入)でUC系の大学に入学していくという「最短経路」も考えられるのだ。
 ちなみにTOEFL®もインターネット経由で受験可能なInternet based TOEFL®(以下 iBT)が来年にはお目見えだ。文法重視のstructureはなくspeakingが加わる。iBTの普及に伴いPBT(Paper based TOEFL®) もCBT(Computer based TOEFL®)も廃止になる予定だ。

 最短経路のマニュアルを作成するためには戦略思考、そしてそれにはまず情報収集が必要だ。

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■ さらに戦略思考だけでなく戦術として

「当たり前のことをできるようにになる そうなるだけでも 相当な努力が必要だと思え」

と言われているように努力は必要だ。その努力のもととなる精神力だが「ドラゴン桜」で言われている「精神論」は時に大切であるかもしれないが、それが唯一無二で過剰な場合には

百害あって一利なし

と個人的には感じる。

◇ ◇ ◇

■ 「帯をギュッとね!」(河合克敏・小学館)というちょっとポップな柔道マンガが一昔前にあった。部活内で、苦しんでも一生懸命やろうという派と好きなようにやろうという派に分かれ険悪になる場面があった。結果としては「楽しんでやろう!」という第三のポジティブシンキング派により解決していくわけだが、苦しんでも一生懸命やろうという派の一人が「苦しんだ代わりにご褒美としての勝利がある」と考え自分に甘えていたと反省する。
 なるほど。これだけのことで苦しんだんだから代わりに褒美をもらってもいいという理屈。一種の甘えだ。もしかしたら、この考え方は今も勉強、特に受験勉強の世界では残っているのかもしれない。
 苦しんだからといって誰もがご褒美をもらえるわけではない。無駄な苦しみ方をするよりも身になる苦しみ方(?)をした方が後々のためにはなるのだろう。

トラウマとなるかとなるか

それは案外その苦しみ方をどのように本人が理解(納得)してるかで変わってくるのではないだろうか。

◇ ◇ ◇

■ 昔、「突撃 電波少年」という番組で、オカマの芸人「坂本ちゃん」と東大卒の美人家庭教師「ケイコ先生」が大学合格を目指すという企画があった。受験日までの毎日がまさに勉強合宿だったわけだが、小テストで点数が取れないとご飯がもらえないという生きるか死ぬかの様相を呈していた(笑。
 なんだかんだといくつかの大学に合格するわけだが、「合格」だけはテレビの演出では勝ち取れない。本気で勉強に打ち込んでいたのだろう。
 ケイコ先生にしても、「ドラゴン桜」に出て来るデフォルメされた教師たちにしても、やっぱり教え子を「合格」という一つのゴールに導くというところで役割は同じなのだろう。対象となる「生徒」を把握して必要となる知識とそれを身につけるための近道を探し出してくれる船頭(先導)さん。そんな役割が頭に浮かんでくる。

◇ ◇ ◇

■ とにもかくにも、今日から始まるドラマはどのようにマンガの世界観を実写化していくのか興味津々だ。ドラマ特有の人間関係に焦点をあてていくのか、それとも心構えも含めたテクニックの部分に光をあてるのか。色々な人の視点から様々な意見・感想が出てきておもしろうそうな「きっかけ」だ。

 

[参考記事・参考放送・参照URL]
R25 「『ドラゴン桜』から学ぶ"勝てる脳"の作り方!」より
   
ドラゴン桜・ドラマ版公式ページ http://www.tbs.co.jp/dragonzakura/index-j.html
  週間モーニング 公式サイト http://www.e-morning.jp/index2.html
   
小学館文庫『帯をギュッとね!』全16巻発売中(定価各590円+税)
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