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§16 −商品取引 (6)−

by 岡部憲治
2006/6/28

■ 前回までで、「現物取引」→「先渡し取引」→「先物取引」を自分なりの理解と解釈で話を進めてきた。だが、実際はどうなのか。参照した本によれば、

自由放任の経済(小さい政府)

市場の失敗

自由と管理の混合経済へ(大きな政府へ)

管理型経済の失敗

自由化・市場化

地球規模の先物取引新時代

という歴史的な経緯が説明されているとともに、先物市場がない社会体制(あるいは経済社会)は

自給自足経済・社会主義体制・戦時統制経済社会・独占、寡占的市場

と記されてあった。なるほど。あたりまえだがシステムは時代のニーズと失敗に対応しながら発展してきたわけだ。(でも、今のシステムが最終ゴールかどうかはまだわからないよなぁ(・。・)…ボソ)

◇ ◇ ◇

■ そして現在は「現物市場」「先物市場」の両方が存在している。両方の市場が存在することによってリスクのヘッジが容易となるからだ。
例えば、現地調達したトウモロコシを船で運んで自分達の国で商売している商社があったとする。

「買付け」たときの値段:1本分100円×100万本 =1億円

さっそく、現地から船で運んで自分達の国へ向けて出発した。だいたい1ヶ月くらいかかる。
ところがその1ヶ月の間にどんどんと業者が「供給」を増したために

1本分80円

に下がった。ところが船で悠々と
「ふんふんふん♪安く仕入れたぞ〜♪(〃 ̄▽ ̄〃)」とのんきな状態。情報が入ってこない状態で過ごすことになる。そして船がついてびっくり。。

「うぉぉぉ<(T◇T)>ぉぉぉぉ!!!」

船を降りて失意を叫ぶ。。。合掌。

◇ ◇ ◇

■ もしこのとき「先物市場」があれば、
「現物市場」
1本分100円×100万本 =1億円 を「買付け」

「先物市場」
1本分100円×100万本=1億円 の「売り」を入れておく。

そうすれば、仮に1ヵ月後に

1本分80円

まで値下がりしても

「現物市場」
1本分100円×100万本=1億円 (買付け)
1本分 80円×100万本 =8000万円 (売渡し)

マイナス2000万円の損失。

「先物市場」
1本分100円×100万本=1億円 (売り<つなぎ>)
1本分 80円×100万本 = 8000万円 (買戻し)

プラス2000万円の利益

差引きゼロとなり、仮に値下がりしてもリスクが回避されることになる。

これは「現物」の受け渡しが伴わない「先物」だからできる技だ。

◇ ◇ ◇

「先物」でいきなり「売り」から入るところが理解しにくいかもしれないが、要は期日前までは「現物」は必要ない。だったら先に「約束」だけしておいて期日前にその「約束」を売ればいいわけだ(前回のトウモロコシ屋さんの話はこれを言いたかったのだが。。。)

上の例で考えれば、

1本分100円×100万本=1億円 を1ヶ月先に受け渡す

という条件で誰かに売る「約束」をしました。

ところが2週間後に

1本分 80円

になったので

1本分 80円×100万本 = 8000万円 になったので、

誰かから買う「約束」をしました。

そうすれば、理屈上は

1本分80円で買った「100万本」 を

売る「約束」をしていた人に流すことができる。その差2000万円儲けたことになる。

株式における「空売り(英語ではshort)」と同じ理屈だ。
現物の受け渡しが伴うか伴わないか。そこが「Forward(転送→先渡し)」「Futures(未来→先物)」の違いなのだろう。

◇ ◇ ◇

■ 「でも、そんなことしてると結局は上がるか下がるかに賭けるギャンブラー(相場師)のいい遊び場になってしまうのでないの?」

という疑問が出てきそうだ。
確かにそういう側面もあるのだろう。だが、先ほどの輸出業者の例ではないか「先物市場」があることによって

−継続的で確実な大量取引の機会の提供
−公正な価格の形成
−基準価格・指標価格の提供により現物取引の円滑化と明朗化、迅速化
−競争による価格の合理化と経済の効率化の促進
−季節的(時間的)、地域的(空間的)な価格の平準化
−広範囲にわたる需要と供給の調節
−資源と富の適正配分
−価格変動リスク(Price Risk)のヘッジの場の提供
−ヘッジによる商品担保価値の向上
−換金の場の提供
−倉庫代行機能
−市場範囲の拡大による市場覇権の促進
−投機資金の公的活用
−資産運用手段およびその機会の提供

という様々な機能が備わることになる。普通の人も参加する機会と儲ける場も提供しようということだから有り余る「市場の意義」があるということになるのだろう。

 

[参考記事・参考放送・参照URL]

日本実業出版社「最新 商品先物取引のしくみ」より

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