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§11 −商品取引 (1)−

by 岡部憲治
2006/5/2

「商品取引」と聞いて頭に浮かんだのは、「大逆転(米・1983)」という映画だ。
原題は「Trading Places」。直訳すれば「取引所」。今も現役、エディーマーフィーとブルースブラザースで有名なダン・エイクロイドが好演したこの映画の肝は、まさに「商品取引」だ。インサイダーとも言える情報を入手して最後に大もうけするのだが、ここでその対象となる「商品」がおもしろい。なんと「オレンジジュース」だ。

「オレンジジュースの商品取引??? マイナーなんじゃないの?」

と思われるかもしれない。

ちなみに、日本で「株式」のように「商品市場」取引されているモノは主に

大豆 小豆 トウモロコシ コーヒー豆 生糸 鶏卵
ブロイラー 白金 アルミニウム ニッケル
パラジウム 原油 ガソリン 灯油

などだろうか。ところがアメリカでは

小麦 トウモロコシ 大豆 砂糖 綿花
ココア コーヒー豆 冷凍オレンジジュース 木材 もみ付米
生牛 素蓄牛 生豚
白金 アルミニウム 亜鉛
原油 暖房油 ガソリン 天然ガス
 



と品目が多い。そして「(冷凍)オレンジジュース」取引はとてもメジャーなのだ。
 Super Kmart、 Ralphs、Walmartなどアメリカの大手スーパーで買い物をしたことのある人ならわかるだろうが、オレンジジュースも含め100%果汁系のジュースは本当にサイズも種類も「所狭し」とおかれている。日本人の「お茶」と同じようにアメリカ人の「オレンジジュース」という感じだろうか(笑。それに「オレンジジュース」は世界中の人が普段から飲むものだから、「需要」が大きいので「商品取引」として「市場」が必要とされるのだろう。
(そういう意味では日本の「お茶」はまだ「Japanese(green) tea」とされ特別なモノなのかもしれない。故に世界で「市場」が形成されるまでには至っていないのだろう。)

◇ ◇ ◇

「商品取引」で今一番ホットなのはやはり「石油」だろうか。なにせ、数年前には1バレル40ドルくらいだったのが、最高では1バレル70ドルを超えて高騰しつづけているのだから。実際、最近の石油会社の業績は超好調だし、「商品取引」で儲けた人も多かったのではないだろうか。
 しかし、気をつけなければならないのが必ずしも市場価格が「需給による価格」だけで動かないことだ。

◇ ◇ ◇

■ 実際、高騰が叫ばれ始めた時には
「近況で1バレル80ドル、中長期的には100ドルを超えていくのではないか」
という発言もメディアでよく目にした。
 ところがその後1バレル60ドル近辺まで値が戻り、現在は地政学的リスクや投機・投資マネーの流入などにより70ドル半ばくらいになっている。実際、IEA(国際エネルギー機関)が発表した4月の石油市場月報によれば、

「石油製品の供給改善と需要の伸びの鈍化見通しという緩和要因にもかかわらず、市場は現実ではなく将来に焦点を当てている」と分析。IEA幹部は「史上最高値圏で推移する現状の原油価格は需給では説明できない」

とのことだ。つまり、需給関係だけから導きださられる適正価格ではないのだ。
 もし、当時のメディアの言葉を信じて「近い将来1ドル80バレルが来る」と考え、その時に商品取引していたら60ドルまで値が戻ったことを考えると空恐ろしい。。。

結局、大儲けした人もいれば大損した人もいる。それが「相場」ということか。。。

 

[参考記事・参考放送・参照URL]

日本経済新聞:「「原油高、需給で説明できず」・IEA月報」より

日本実業出版社「最新 商品先物取引のしくみ」より

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