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by 岡部憲治
2005/12/22
■ 前回、リスクのとり方について国債と為替を併せて考えてみた。ただし、前提があった。それは国債の種類を「固定利付債」に限定していたことだ。実際、国債は「国別」以外にも
−償還期間
−国債の目的
−利払い
などによる分類が可能だ。ただ、実際に購入する立場で考えると一番重要になってくるのは
−利払い
による分類だろう。その利払いによる分類で考えると国債は
−利付債
−割引債(ゼロクーポン債)
の2種類に分類され、さらに
に分類される。まとめると
1)固定利付債
2)変動利付債
3)割引債(ゼロクーポン債)
の3種類になる。
1)の「固定利付債」は前回の話にでてきたので特別に記することもない。
2)の「変動利付債」は銀行で住宅ローンを組むときよく耳にする変動金利と同じ理屈と考えればなんとなく想像がつくのではないだろうか。利率は変動するが最低金利保証が存在するということだ。もちろん、「固定利付債」よりも利率が低いのはあたりまえだが。。。
聞きなれないのは3)の「割引債(ゼロクーポン債)」だ。
「クーポン」という言葉だが、国債(債券)においては「利子」のことを指す。なので「ゼロクーポン」とは「無利子(利子ゼロ)」ということになる。だから、日本語に直訳すると「無利子付債(利子ゼロ国債)」ということになるのだが、名前を聞いただけではそんな金融商品は誰も買わないだろう(笑
だからこそ、「割引債」という想像しやすい名前をつけたのだろう(あるいは"discount bond" という言い方もあるそうだからそっちの方にあわせたのかもしれないが。)
◇ ◇ ◇
■ では実際に、「割引債(ゼロクーポン債)」とはどのようなモノなのか。
「割引債(ゼロクーポン債)」の場合、計算方法が少しややこしくなる。というのも1年以内か1年超のもので計算方法が異なってくるからだ。
| 1) |
1年以内の場合だと単利計算となり、例えば、
100円で償還されるものを95円で購入した場合。→額が少ないので前回の例に合わせて
100万円で償還(満期時に返還)されるものを90万円で購入した場合と置き換えてみる。 |
年利回り(%)={(額面価格−購入価格)÷購入価格}×(365÷未経過日数)×100
という公式にあてはめてみれば、
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年利回り(%) |
={(100万円−90万円)÷90万円}×(365÷365)×100=11.11111・・・ % |
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残りの期間が1年とすると年利約11.1%となる。100万円の投資で…1年間で10万円なんて今の日本の低リスク金融商品ではありえない高利回りだ。
| 2) |
1年超の場合だと複利計算となり、上記例のように、100円で償還されるものを95円で購入した場合、→額が少ないので、100万円で償還(満期時に返還)されるものを90万円で購入するということなのだが、この場合、ポイントになってくるのが「期間」だ。償還までの期間が長ければ長いほど年利回りは低くなっていく。例えば、5年の償還期間だったとすると。。。 |
年利回り(%)={(残存年数×√<額面価格÷購入価格>)−1}×100
という公式にあてはめてみれば、
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年利回り(%) |
={(5年×√<100万円÷90万円>)−1}×100={(5×√1.1111…)−1}×100
={(1.1111…^(1/5))−1}×100=2.12% |
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※ y√X=X^(1/y) →<Xの1/y乗を表す>
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5年間での年率利回りが約2%というのはそれなりに現実的な数字だ。
ということは90万円で購入できて100万円で償還される割引債は少なくとも5年以上の期間であっても今の日本では魅力的な商品になるということだ。
◇ ◇ ◇
■ さて、90万円が100万円になって返ってきたのだから10万円の所得が生じる。税金はどうなるのだろうか?
割引債で得られるこの10万円は「利子」ではないので、利付債のように「利子所得」ではなく「雑所得」と考えられる。だから源泉分離課税となり確定申告などの手続は不要でなおかつ住民税は課税されない(はずだ(;^_^A 汗。。。)。
つまり、税金面でも利付債と違いがでてくるのだ。
◇ ◇ ◇
■ アセットの運用面でも長期の割引債ならば様々な方法をとることが可能になってくる。
例えば、100万円が10年で償還される割引債が85万円で購入できるとする。
すると、
85万円→10年後→100万円
残りの15万円→他の金融商品で運用する。
15万円をどのようなタイプの金融商品で運用していくか。それは運用していく人のリスクに対するスタンスで決まってくるのだろう。前回の
| 日本国債10年物 年率1.75%を100万円購入→10年後→117.5万円 |
という例を一つ基準として考えるならば、
85万円→100万円は確定している。よって残りの
15万円→10年後→17.5万円
にすればいいのだから、
15万円×年利率×10年=2.5万円
15万円×年利率=2500円
年利率=2500円÷15万円×100=0.0166666・・・×100=1.6% |
(※ここでは複利ではなく単利で、計算を単純化した。)
つまり、年率1.6%の金融商品に15万円を投資すればいいのだからそれほどリスクは高くないだろう。
そう考えると、「国債」と「リスクの低い金融商品」という組み合わせでリスク重視の運用を行うことが可能になってくる。
◇ ◇ ◇
■ ただ、じっさいのところ、日本では
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「割引債(ゼロクーポン債)」の3年債は2002年11月に、5年債については2000年9月をもって発行を打ち切っているようだ。 |
ということだ(ガクリ。
そこで色々と海外のホームページを眺めていたら、
アメリカで1998年に発売された「割引債(ゼロクーポン債)」は償還年が2018年という20年モノであった。そのときの購入価格は313.10ドルで、償還される(2018年に返ってくる)額は1000ドル。
もしも3131ドル分購入していたら、20年後には10000ドルになって戻ってくるわけだ。
20年という期間を人生で考えてみれば様々な出費が想像される。だったら、20年モノ利付け国債を10000ドル出して出費が多いときに無理して購入するよりも、20年モノ「割引債(ゼロクーポン債)」を購入したほうが家計的には楽だろう。
あるいは10000ドル分の利付け国債を買う余裕がある人でも「割引債(ゼロクーポン債)」の方を3131ドル分購入して、残りの6829ドルをリスクの高い金融商品で運用してトータルで高いリターンを目指すことも可能だ
。
◇ ◇ ◇
■ ということで、自分の元手(自己資金)がどのくらいなのか、人生のどの辺を歩んでいるのか、一人身なのか家族がいるのかなど
| 「人生(設計)」を考えるときに「割引債」という金融商品は「選択」をしていくための指標 |
として使えるのかもしれない。
まずはどこの国が割引債を発行しているか、証券会社にでも尋ねてみようかな (゚Д゚≡゚Д゚)?。。。
[参考記事・参考放送・参照URL]
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