| §9 ネット×携帯×ボーダレス!? -- フィードバック from Finland -- |
by 岡部憲治
2005/06/10
■ 今回の取材ではフィンランドがメインだったわけだが、それ以外にもオランダ、デンマーク、フランス、ドイツ(移動のみ)と足早にまわった。体感したIT進度を自分なりに考えてみた。
フランス(ストラスブール)では、1年前にアナログ回線でホテルからネットに接続していたのだが、無線LANが導入されていた。ドイツでは鉄道で移動したのだが一等車のなかはネットに接続しているビジネスマンばかりであった(もちろん高速移動中)。オランダも無線LANはあたりまえ。デンマーク、フィンランドともに無線LANがOKであった。
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■ だが、やはり向いているところに少し差を感じた。つまり、プロバイダーの問題だ。
フランス、ドイツ、オランダではそれこそクレジットカード番号を入力して、その場限りの使い捨てネット接続ができるのだが、デンマークやフィンランドでは地元のプロバイダーに入会していないとダメなようであった。多分、ヨーロッパ内(あるいはEU内?)ではまったく問題なく接続できる環境なのであろうが、アジアや北米から来たビジターにしてみれば意外とやっかいなものである。
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■ IT先進国と言われているフィンランドでも、ネットという広大な物理的制約のない空間に訪れる人々が自国やEUの人々と捉えていたことは少し意外であった。しかも街中の看板には「○○時間 ○ユーロ」というプロバイダーの看板が目についた。結構、大手のプロバイダーだと思ったが3種類くらいのコースがあり一番上のコースでさえ「接続無制限」ではなかったのだ。
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■ 携帯電話に関して言えば、確かに皆があたりまえのように持ち歩き通話している。が、やはり「めるめる」してる姿が日常な日本の風景とは違っていた。最近はオサイフ携帯なども登場してますます便利になる携帯だがフィンランドはそこまで到達していなかった。かなり前に自販機に携帯をかざして購入ができるという海外ニュースを見たのだがその風景にもお目にかかれなかった。
日本から持参していた携帯でi-modeに接続しようとしたがフィンランドやデンマークなどの北欧では全滅だった。が、その他のフランス、ドイツ、オランダでは問題なかった。
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■ 一時期、マイクロソフトが「テレビでインターネット」というコンセプトでテレビを利用したインターネット接続サービス「WebTV」というサービスを提供していた。当時は「パソコンの知識がなくてもインターネットを利用できる」とメディアで取り上げられ話題となった。が、結局は終了してしまった。ニーズに合わなかったのだ。
その後、最近になってパソコンとテレビを融合させたような商品が出てきている。データの保存などがリムーバブルメディアによって可能となり周辺機器などへの拡張性もどんどん広がってきたからだ。「テレビでインターネット」の時代ではできなかったことがその後の発展で可能になったのだ。
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■ フィンランドでは数年前に双方向性マルチプラットホームボックスを全家庭に導入するというのを目標としていたと当HPでイギリスレポートを掲載している岩辺氏の記事で目にした。そのことを取材させていただいた現地在住の日本語教師の方に尋ねてみたが「?」な感じだった。もしかしたら、導入は進んでいるのかもしれないがハテナな反応が返ってくるということは普及率はまだそれほどでもないのかもしれない。
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■ その時期に先進的な事として行っていたことが、何年か後にはデ・ファクトスタンダードの流れから遠のいている。
一時期の「IT先進国」も浦島太郎状態にならないようにしないと厳しい状態になりかねない。携帯機器以外ではやっぱりソニーやパナソニックなどの日本製デジタル家電がひしめいているフィンランドのデパートを見るとそんな気にもなってしまった。
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■ 確か、1990年代後半にフィンランドは公共サービスへの容易性をうたって電子IDカード(FINEIDカード)を国民に販売する試みをとったのを覚えている。結局はうまくいかなかったようだが。
導入が早すぎたのではないだろうか。今ならソフトもハードも人の意識もそれを受け入れる段階にあるが当時ではまだ無理だったのかもしれない。コンセプトが新しく未来を考えたものであってもそれを社会が受け入れるまでには時間がかかるのであるから。
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■ 新しい時代に入り、その昔の試行錯誤が今に生きてくる。だが、コンセプトが受け入れられたということはボーダーレス化がおこり、ある意味シェアの奪い合いだ。それが人なのかモノなのかはわからないが急激なグローバリゼーションの波に飲み込まれずにいい意味での前進を保ってほしい。自分たちの国を "SUOMI"と呼び、自分たち自身も"SUOMI"と言うフィンランドの根底にある協働と尊重の精神がいつまでも続くことを心から願ってやまない。
※今回でフィンランドシリーズはいったん終了させていただく。が、2006年に行われるPISAの結果からまたフィードバックが生まれるかもしれない。今回のフィードバックをそれまでの「経過」として捉えていただければ幸いだ。
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