| §2 読書×図書館×読解力!? -- フィードバック from Finland -- |
by 岡部憲治
2005/05/16
■ 「フィンランドの図書館利用率が世界一」ということをやたらとメディアで目にした。PISAの結果でフィンランドの読解力(読解リテラシー)が一番だったということと結び付けているのが容易に想像される。フィンランドの国家教育委員会も2001年〜2004年までを「読み書き力向上強化期間」としたことからそういう流れを醸し出しているので、その流れは必然なのかもしれない。
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■ 国民一人あたり年間21冊の本を借りていることがさもすごいことのように語られているが、日本で図書館を利用する本好きの人からすれば「それぽっち?」といわんばかりの数だ。図書館を利用しない人でも、例えば電車通学・通勤時に文庫本等を読んでいる方々がどのくらいいて年間何冊くらい読んでいるかアンケートをとってもらいたいくらいだ。21冊くらいは余裕で超えているのではないだろうか。
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■ 文部科学省の社会教育調査(2002年)によると、国民1人あたりの公共図書館貸し出しは年間4.1冊ということだ。確かに平均すると21冊にはとうてい追いつかない。ちなみに私の場合、小中高時代、図書館で本を借りた記憶なぞほとんどない。読書そのものも課題図書を本屋で買って読む程度のものだった。好きだったコンピュータ技術書などは本屋で購入していた。図書館で最新の本が入荷するのを待つより本屋で買った方がすこぶる早いからだ。
日本で流行りの本を読もうとするとき、図書館に入荷するのを待ちさらに貸出しの順番待ちを考えたら書店で購入してしまうのではないだろうか。(ちなみに、横浜市の図書館で「ハリーポッター 不死鳥と騎士団 (上巻・下巻)」を借りるのに現在で、約1100番待ちだ。どのくらい待てばいいのだろう?)
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■ 図書館数も人口比でいけば少ないとはいえ「近所に図書館がない」というほどでもない。蔵書数では
ロシア、アメリカに次ぐ、第3位である。実際、地元の図書館ではいつもお話し会や上映会など色々な催し物を行っている。ソフトとハードの両面を考えても図書館環境はそれほど負けていないような気がする。それでも貸し本文化(有料)や古本屋の存在、書籍購入という習慣が存続してる以上、図書館を利用する率はこれからもあまり変わっていかないだろう。
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■ では、どのように図書館に人々を出向かせて「利用率向上」の習慣化を促すか。それには「学校」との結びつきが一つの接点になるのではないだろうか。オープンキャンパスで学校を開放しているのはよく聞くが地元の図書館と結びついて何かしているような話しは表立っては聞こえてこない。学校も自前の図書室をもっているところが多く「図書」という目的だけであればそこで達成されてしまうのだからあたりまえかもしれない。
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■ だが、図書館にいけばそこは公共の場であり様々な年代の人々と接する機会がある。学校の図書室での自分の場所、仲間との場所ももちろん必要だが、社会との接点として図書館をあえて利用するというのも一案のような気がする。
「図書館」という施設をどのように小中高時代の教育と融合させていくかが「図書館利用率」と関係しているのではないだろうか。
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