|
■ 女子美術大学付属中学校の社会の入試問題では、昔話が題材として取り上げられた。
■ 「七夕伝説」と「浦島太郎」。子どもたちになじみが深いこれらの昔話を、奈良時代に視点を置いて考える問題。中国から奈良時代の日本へ、そして奈良時代から現代へと伝承されてきた過程で、ストーリーが変化しているという点が問題のポイント。
■ もともと中国では、「織姫が彦星のもとへ嫁ぐ」という七夕伝説が、奈良時代の日本では「彦星が織姫に会いに行く」という展開へと変化。同様に浦島太郎も、奈良時代では「浦島の釣り上げた亀が美しい姫に変身し、浦島に求婚。浦島は姫に連れられて竜宮城で結婚する」というものであった。
■ 設問ではここから4つの仮説が立てられ、仮説として成り立つと思うものに○をつける。
@奈良時代の日本では男性が女性の家へ行く結婚の形が多かった
A奈良時代には自分の好きな人と結婚することはできなかった
B奈良時代から現代まで、日本ではずっと好きな人と結婚するのが普通だった
C奈良時代には女性からの求婚ができた
■ 二つの昔話が実は結婚という社会制度の形態の変容を表しているということに気づいた瞬間に、子どもたちの世界は一気に広がる。これまでファンタジーとして読んでいた物語から、国や地域、時代を象徴する価値観が姿を現すのである。
■ このような視点が拓かれる入試問題は、これからたくさんの文学作品に触れていくであろう生徒たちにとって、まさに貴重なトリガークエスチョンとなる。
|