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■ インプットとアウトプットという言葉がある。効率よく情報を取り入れ、また得た情報をわかりやすく人に伝える。言葉にすると一見非常に容易なように見えるが、実際にこれらを実現しようとすると、思いのほかうまくいかないものだ。自修館中等教育学校の国語の入試問題大問5番では、得た情報を自らの文章によって人にわかりやすく伝えることが求められる。
■ 自修館中等教育学校では、国語の授業で「絵手紙」というものを生徒が書いているようだが、国語の大問5番は、この絵手紙を題材にしている。示された情報をもとに「絵手紙とは何か」を説明するといった問題だ。その情報として、先生から絵手紙についての説明を受けながらとった生徒のメモが示されている。
■ メモ
○ 絵手紙とは
・ 絵のある手紙(絵→自由)
・ 筆と墨を使う(色をつけてもよい)
・ 言葉をはがきの余白に
○ 手順
(1)墨汁と水を別々の小皿に
(2)筆につける墨汁と水→調節→線に濃淡
(3)絵の下書き
筆を立てる→細い線 筆をねかせる→太い線
→筆先に気持ちを集中して練習
(4)これでオッケー!→はがきに絵を清書
(5)余白に言葉
■ 受験生はこれをもとに、絵手紙を説明する文章を完成させる。メモの表現は変えても良いが内容を削ってはいけないこと、また7文以上の文章で説明することが条件として与えられている。
■ 条件の一つにある「内容を削ってはいけない」という点は、アウトプットにおいて極めて重要である。説明しづらいと感じた情報も、隅に追いやることなく、わかりやすく表現する情報の整理力や圧縮力が求められる。
■ 文章にするという意味では、適切な表現に改めるという編集力も必要不可欠であろう。例えば、「これでオッケー!」といった表現は異なる言葉に置き換えられる必要があるだろう。さらに主語や目的語をきちっと明示しなければならない箇所も出てくるだろう。
■ また、メモ中の「→」という矢印も説明しなければならない。しかし、この矢印はメモの中で、使われる場所によってその記号としての意味を変えている。ある時はイコールとなり、ある時は単純に順序を示すものになるといったことを読みとかなくてはならない。この「メモ」を見たことのない読者にどうすれば伝わるのかを考慮しながら、受験生は四苦八苦するわけである。
■ 例えば受験生たちは、箇条書きされている2つの文を1文にまとめて、文章をすっきりさせようとするかもしれないし、さまざまな接続詞を駆使して、読んでいる人を飽きさせないようにしようと試みるかもしれない。あるいは倒置法を使って、強調したい部分を明確にしようとするかもしれない。書き方ひとつをとっても工夫のしがいがあり、一人ひとりの書き方の特徴や味がにじむ文章になりえるのだ。
■ 東野校長先生は「生徒たちのみずみずしい感性を大切にしながら、授業の中で「生きる力」「考える力」「表現する力」を養っていきます。」と語っている。読み手をイメージし、インプットした情報をもとに、工夫を凝らした文章を書かせる入試問題。そこから、受験生のみずみずしい感性が見てとれるのかもしれない。
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