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■ 入試問題では、培ってきた知識や目に見える情報をどう再構築し、活用するかが問われることになる。例えば那須高原海城中学校の算数を見てみよう。
■ 左側には正三角形OABが、右側にはOBを一辺とする正方形OBCDがあり、どちらも一辺の長さは7cm。このとき点Pが、点Oを中心に、点Aから一定の速さで時計回りに移動し、84秒後に点Dへ着くという問題。円周率は22/7で計算するという条件が付けられている。問われているのは「点Pが点Aを出発してから60秒後までに、点Pは円周上を何cm移動」するか、である。
■ 様々なアプローチができるだろう。たとえば1秒間あたりの移動距離を出してから答えを求める方法がある。まず扇形の中心角を求め、そこから弧の長さを求める。この距離を移動するのに84秒かかることから、1秒間あたりの移動距離をもとめ、60倍する。距離を問われているから距離に視点を置く、というオーソドックスな解き方。しかし、早い段階で円周率を使うので、分数を含む計算が多いぶんミスも多くなり、複雑な計算手順は試験時間50分に大問7つということを考えると致命的な失敗になりえる。
■ ではどうすればよいのか。ここで必要になるのは視点や発想を切り替えることだ。求める距離は60秒後の扇形OAPにおける弧の長さであり、そのために必要な情報は、半径と円周率、そして扇形の中心角である。半径と円周率は問題文で与えられているので、中心角さえ求めればよい、ということに気付くことがポイントになる。84秒間で開く角度から、60秒間で開く角度を求める。どこかでみたような基礎的な比の問題だ。計算は遥かに簡略化され、時間も短縮されることだろう。
■ 同校の算数では、全体を通して、答えにたどり着く方法が一本道ではない問題ばかり。計算に自信がなくても、問われていることに視点を置くという一種の固定観念を捨て、条件を設定し、その基準で情報を整理することで答えにたどりつける。自分なりに何かを考える視点を持つ体験、これこそが同校が算数の問題を通して求めていることであろう。
■ 自ら視点を置き、それに向けて情報や知識を再構築し、問題を発見、解決する。こういったプロセスは子どもたちの豊かな思考をより大きく広げ、新たな関係性や繋がりを見いだすきっかけとなる。こうして生まれた創造的な発想は、多くの人に伝わり、彼らの持つ能力や可能性への信頼、さらなる期待へと繋がるだろう。ハウス(寮)を最大限に活用した同校の学びには、自ら学ぶ姿勢を育み、自立した視点を築くため、数多くの仕掛けが用意されている。「自らの進路分野や社会で人望を集めるキーマン」を育むべく、那須の大地は子どもたちを待ち受けている。
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