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入試問題にみる学び(11)
雙葉中学校:国語の問題から見えるコト
2007年2月7日
by 今村 衣里加

■ ラジオ・テレビに始まり、雑誌・フリーペーパー・インターネット・携帯電話、多様な情報媒体が普及し、溢れかえる情報。意識しないでもそれらは日々流れ込んでくる。その膨大な情報をいかに選別し、取り入れるか。そして取り入れた情報をどのように捉え判断していくか、現代社会に生きる私たちにとって大きな問題である。そしてそれは入試に挑む子どもたちにとっても変わらない。

■ 雙葉中学校の国語入試問題の大問2において問題文となっているのは、吉本隆明の『13歳は二度あるか』。他の人が知らない限定的な情報を手に入れようとするよりも、あらゆる人に公開されている情報を総合し、取捨選択して社会のすがたを把握する能力を養うことが大切だ、など、筆者の考える情報の価値判断についての文章である。

■ 設問は2つのみ。一つ目は、「『彼岸過迄』に出てくる話は、何のために引用されていますか」という問い。『彼岸過迄』は文中で引用されている夏目漱石の小説であり、探偵趣味の青年が、他人について知りたいことがあるときには、跡をつけたりまわりの人に聞いて回ったりせず、本人に直接聞くことがいちばんいいと気づくことが書かれている。

■ 二つ目は、「世の中を正しくとらえていくためには、どうすればよいと言っていますか」を書く問題である。問題文を読み進めると、筆者の考える「いちばんいい方法」など、ヒントが多く隠されている。両問とも文章を論理的に解析し、理解していくことがまず必要になる。さらに45字以内という字数制限内で、自分なりの言葉を使いまとめあげる表現力も求められている。

■ しかし奥深いこの問題。表面的にはこの2問だけであるが、実はもう一つ、問いが隠されているのではないだろうか。それは、雙葉の目指している「真の知性を養い正しい価値判断の出来る良き母親、良き社会人、良き国際人」になるために、入学後どのように過ごしていくのかということである。入試問題では直接触れられていない、この3つ目の問い。

■ 雙葉中学校に入学する子どもたちが、自らの進む道にどのような価値を見出し、判断していくのか、が問われているということだろう。


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