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入試問題に見る学び(9)
桜蔭中学:国語の問題から見えるコト
2006年2月16日
by 中島 千尋

■ 2月1日に行われた桜蔭中学校の国語の入試問題は、論説文と物語文の二部仕立てになっている。注目すべきはその解答用紙である。論説文のセクションの解答欄には、漢字を答えるための小さな枠が四つと、非常に大きなスペースが五つ横に並んでいるだけなのだ。なぜならば、ほとんどすべての問題が「説明しなさい」という問いかけ方をしているからである。

■ 生徒たちはこの問題に向き合ったとき、何を考えたであろうか。ここで少し考えてみたいのが「ものを考えること」と「ものを説明すること」の間に存在する過程である。言うなれば「思考を表現する」というこの一連の流れの中には、どのような問いかけが潜んでいるのか、ということである。

■ 一般に、入試問題で求められるような知識を重要視する学習では、目の前にある問題文や、自分の中に蓄積させてきた知識の中から、該当する答えを「思い出す」ことが、問いに対して「答える」という行為になっている。しかし、「ものを考え、説明しなさい」という問いかけに対しては、「思い出して書き出す」ということだけでは答えになり得ない。

■ ここに必要とされているのは、自分の思考そのものなのではないだろうか。今までに蓄積された知識や目の前の問題文に含まれる手がかりを、自分で再構築し、情報化していくという過程が求められる。「思い出す」ことではなく、「思いつく」ことこそが、この桜蔭中学校の入試問題が求める大きな力なのであろう。

■ 「思いつく」ことは、気づきを誘発し、子どもたちの想像・創造力を育てるだろう。当研究所で制作しているTQも、子どもたち自身が自らに問題を引き寄せ、多様な「気づき」を誘発することを重要視している。

■ 桜蔭中学校の入試問題を目の前にした子どもたちは、思い出すだけではなく、思いつくことができたであろうか。それは入学した後の学校生活において、さまざまな人とふれあい、学びを行うことで、伸ばしていくことができる力でもあるのだろう。


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