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■ 今回は麻布中学の理科のある問題を取り上げてみよう。自動車の仕組みを力学的に捉えていく問題、とでも言えばいいのだろうか。まず前提として輪ゴムを動力とする自動車の絵が提示される。
■ 輪ゴムの巻き方や車輪の大きさといった条件を変えながら実験していくという設定で、動き出す速度や進める距離がどのように変化するのかを問う問題がいくつか続く。選択肢の問題ではあるが、知識よりも想像力と思考力で解ける問題である。
■ 伸ばしたりねじったりと何らかの形で利用したことがあるであろう輪ゴムの性質を、車輪を動かす、言い換えればモノを回転させる、という運動と結びつけてイメージさせることができれば、問題を解きながら頭の中を自動車が駆け巡っていくのではないだろうか。
■ そのあとに用意されているのが「エンジンの力を前輪と後輪に同時に伝える仕組みを持った車が、水溜りなどの悪路をうまく走れるのはなぜですか」という問題である。前輪と後輪を棒でつないだ自動車の絵への誘導があるため、輪ゴムを動力とするシンプルな自動車が、前述のようにエンジンで走る普通の自動車とイメージで結びつけば、さほど難解な問題ではない。
■ 当研究所は以前からHonda「発見・体験学習」などを通して、日常的な物事も視点を変えて捉えなおすことで、新たなものを創造し、未来を創っていくことに繋がると考え、取り組んでいる。
■ 今回取り上げた問題も、ある意味で多角的な視点や想像力の重要性を解く側に想起させる問題である。このことは、紙という媒体を通して人々の生活を考えさせるような社会の入試問題にも通じるところがある。
■ こういった仕掛けを意図的に付与しているとするならば、麻布という学校は入試問題のなかからすでに教育を始めているということになるのではないだろうか。
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