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入試問題に見る学び(2)
麻布中学:社会の問題から見えるコト
2006年2月2日
by 葛原 怜

■ 今回は、麻布中学の社会のある問題を考えてみよう。まずはその形式に驚かされる。B4用紙2枚にびっしりと文章が書かれており(約3300字)、その文中に関係する問題が後に並んでいるだけである。よく見る地名や歴史の問題はそこには存在していない。文章の内容は大まかに言うと、「紙と新聞と情報」の歴史と意義についてである。

■ 問題の前半部分は多少地理と歴史の基本的な知識を伺うような問題があるものの、後半部分にいたっては、国語の文章題のように文中からの読解力と、それに対する自分の意見が求められる内容になっている。

■ 簡単にその問題を紹介すると、「新聞とホームページの違い」「紙を大量生産・大量消費する現在は大きな困難に直面しているのはなぜか」「新聞以外で、紙を使った情報伝達の手段を挙げ、それによってどんな社会をつくったか」といったような問題である。

■ 最初の違いを考える問題は、問題用紙に実際の新聞社のHPを真似た写真が掲載され、普段見ている新聞と、実際に比較する力が要求されている。この問題では、よく普段見ているはずの新聞をまずは思い出さなければならず、そのイメージを残しつつ実際に紙面上にあるHP写真と比較しなければならない。この点からも、単なる違いを発見する問題ではなく、「想像力/創造力」を使わなければ、答えることができない仕掛けになっていることがよくわかる。

■ 二つ目の問題は、字数が60字〜100字と指定されている点からも、意見の要約力や表現力を見ていることは当然だが、この問題の奥深さは他にもある。一つは「大きな困難」が何かということが文中に書かれていないということ。もう一つは、その困難に直面した理由も考えなければならないということだ。

■ つまり、ある程度の社会的問題について興味や関心を持ちつつ、その原因は何なのか常日ごろ疑問に思っているのかという点が要求されている。言い換えれば、物事に対する興味関心と問題意識と探求能力が試されているということか。

■ 最後の問題はその究極的なものだ。紙を使った情報伝達手段の代表例である新聞「以外」に、同様のものを挙げた上で、その情報手段の社会的影響力を聞いている。しかも、前問のように120字〜160字以内という字数指定の上でである。つまりこの問題は、歴史や公民や地理といったような最低限の知識はもちろんのこと、先述した「物事に対する興味関心と問題意識と探求能力」を前提にした「創造力」が要求されていると言える。

■ このように、入試問題に創造的才能を導く学びを麻布が大切にしているということが見え隠れする。


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