男坂
蝉丸が「逢坂の関〜」と詠んだように、男坂も「逢う坂」であり「関所」のような所であろうか。頭上をまたぐ一本の廊下。そこを、何年も前に受験をくぐり抜けた生徒達が未来の後輩を受け入れるために奔走し、その下の男坂を受験生達は深刻な面持ちで一歩一歩を踏みしめて下る。
時間が立体的に交差する男坂。明高中のシンボルには多次元である。
 
控え室
控え室にぎっしりと座った保護者の視線の先には、各試験科目の時間を書いた紙。受験生の集合時間になると、「受験番号を確認してください」という受験生が聞いているのと同じ放送が控え室にも流れる。控え室の空気にぴしっと緊張が走る。保護者も受験生と同じ気持ちを味わう。親も一緒に受験なのかもしれない。
 
生徒
門や校庭には、生徒たちが後ろ手にどっしりと立ち、応援団さながらに「おはようございます!」と声を張り上げて、受験生を迎えている。一日の最高気温が9度を超えない寒さの中、コートを羽織っている生徒は数えるしかいない。素晴らしき男前。保護者の間を縫うように、トランシーバー片手に生徒達が走り回る。明高中の入試は生徒達の存在が欠かせない。メガネをかけ親につきそわれている受験生も、たくましく頼もしい生徒達の姿に来年の自分の姿を重ね、「この学校に入りたい」と強く願って試験会場に向かうに違いない。
   |