「女性の自立」を目指す戸板中学校の学校案内資料。パラパラとめくっていって「国際的な活躍を目指して」というタイトルに目を留めたところ、まずあるのが「中学1年総合学習」プログラムの紹介です。これは少し意外でした。「国際的な活躍」というと、基礎学力を充分につけ、いよいよ次の進路に向かうというステージをついイメージするからかもしれません。
週1回の「中学1年総合学習」では、マナー・茶道・華道を隔週で学びます。マナーの授業は、「単なる礼儀作法の型ではなく、他者とどう接し、自分はどうあるべきかを生徒ひとりひとりが考える時間」とあります。ゆれうごく思春期の女の子たちにとって、他者との関わりの中で自分のあり方を選択し決定することは、さまざまな迷いや葛藤を引きおこすでしょう。そんな時、茶室という静寂で自分の呼吸を感じたり、花を活けながら自然の美しさと向き合う時間が用意されています。生徒たちは、マナー→華道→マナー→茶道・・・とつながっていく総合学習の中で、他者との関わりにおいて自分がどう行動するのかを、時には立ち止まり、ふり返りながらじっくり考えることができるのでしょう。
家庭科の伊藤先生は、授業の中でこんな話をされるそうです。「これからのあなた方には、どんな職業につくか、結婚をするかどうか、出産をするかどうかなど、自分自身の人生を決める大切な選択の場面がたくさん待っています。その時々で、自分がどうありたいかをしっかり考えて進んでいってほしい」。
戸板中学校の華道・茶道の時間は、単に世界に日本文化を伝えるためのデモンストレーションではありません。国際的な活躍を目指すために、まず自分の足元にあるひとつひとつを、自分自身の意思で選択し、行動し、表現していく。そんな「自立した女性」になるために大切なことを、「中学1年総合学習」は生徒たちに伝えているのでしょう。
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