「蔦(ツタ)のからまる校舎」というのは、見たことがありそうで、実はほとんど目にすることのない光景ではないでしょうか。頌栄もその外観からは蔦の様子は見ることができません。奥へ入ってびっくり、誰もが足を止めてしばしたたずんでしまうほど美しい庭園風の中庭が広がっているのです。4階の屋根まで届く蔦の緑のなんと美しいことか。近くで見ると意外と大きな葉の一枚一枚にも驚くことでしょう。
さらに奥には、区の保護樹林に指定された樹々が生い茂る小さな森のような空間が広がっています。おしゃれな街で知られる港区白金台にこんなにも緑豊かなところがあるなんてと誰もが思うことでしょう。そして、この蔦や樹々がどっしりと大地に根を張り、芽を伸ばす様子が、そのまま生徒たちの姿を映し出しているような気持ちがするほど、のびのびとして悠々とした時間がそこに流れていることに気づきます。
数年前におじゃました説明会での岡見校長先生のお話の中で印象に残ったのは、"8時間寝て、8時間働いて、8時間遊ぶ"というフレーズでした。"遊ばない子はダメ、勉強ばかりしていい学校に入っても余裕のない人間は付き合っていて面白くないから"とサラリと話される様子が小気味よくて楽しかったのを覚えています。
同じように、先生は、「男女は同権だが、同質ではない」と常々話されていることについてふれ、"家庭が明るく、お父さんとお母さんが仲よくして団欒があれば子どもは育つようにできている"とも言われました。いずれもわかりやすい表現というか、改めてなるほどと思ってしまうようなお話ではないでしょうか。
頌栄では補欠も繰上合格も出していません。10数年前までは補欠合格を出していたそうですが、謝恩会の席で保護者の方から「補欠で入れていただいた」と言われ、6年間ずっとそんな思いをさせてしまったことを悔いて廃止されたのだそうです。"入学者が減ったら減ったでいいじゃないか"と言われる潔さも魅力のひとつかもしれません。
また、頌栄は、帰国生を積極的に受け入れていることでも知られています。特に定員を設けず、12月と2月で計3回の帰国生入試を設定している学校は他に例がないように思います。
市松模様の廊下や扇型の階段教室、パンの自動販売機なども楽しい空間を作り出していました。蔦のからまる学院には、元気と楽しさがいっしょに編みこまれているような気がしました。
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