| 慶應義塾湘南藤沢中等部というと、まず説明会に参加するために必要な「往復はがき申込」のことが頭に浮かびます。最近でこそ事前申込必要という学校もいくつか出てきましたが、1992年の開校当初からずっと、しかも往復はがきにてという徹底ぶりは慶應湘南藤沢のみのように思います。もちろん、たくさんの参加者がつめかけることを予想しての配慮であることは理解できましたが、当時は、エッ、事前申込がいるの??とちょっとした騒ぎになったことを覚えています。保護者にとっても学校にとっても手間のかかる方法ですが、このひと手間によって、学校としては人数把握や割り振りができますし、保護者にとっては学校へ足を運ぶ前にすでに学校とのコンタクトが取れているという安心感とでもいうのでしょうか、ちょっと大袈裟かもしれませんが、一歩合格に近づけたような嬉しい気持ちがするのではないかと思うのです。互いに不安のない気持ちよい方法をとるためには手間も惜しまないし、参加者にも協力をお願いする。こんなことからも「常識にとらわれず新しい試みを取り入れる」という福澤諭吉の「新しさ」への想いがしっかりと受け継がれていることを感じます。そして、出願書類の「活動歴申告書」にもその新しさはあらわれています。この申告書に得意なことを記すことで、本人の希望によって「英語参考テスト」を受けることができたり、学校が必要とした場合には「実技」によってその力を発揮するチャンスが与えられるのです。ホームページには、2004年度入試で実施されたものとして、美術(絵画)、書道、音楽(ピアノ、バイオリン、チェロ、ギター)、剣道、球技(野球、サッカー、テニス、バスケットボール)が挙げられています。これらは通常の試験を受けたうえで行われるため、一芸入試とは違いますが、より多くのチャンスを与えているところが個性を大切にしている慶應らしい新しさと言えるのではないでしょうか。さらに、入学後の「ゆとりの時間」では「学年でテーマを決められている講座」「高大連携の講座」「学年を超えて自由に選択することのできる講座」など個性を伸ばす新しい試みが続きます。高等部からの増員(80名)についても、「新しい仲間との切磋琢磨を期待して」という部長の言葉が記されています。慶應湘南藤沢の求める「新しさ」は、単なる「目新しさ」ではなく、「柔軟性」であり「しなやかさ」であると言えそうです。
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