| 武蔵といえば「すすぎ川」。人工の川ではありますが、敷地内に川が流れ、緑がそよぎ、水鳥が遊ぶ学校はなかなかないように思います。大きな樹木に守られるようにして建っている校舎内には、説明会の際には入れません。生徒のじゃまにならないようにという配慮からとのこと。ここでまず、他校との違いがおわかりいただけるのではないでしょうか。もちろん、他校も生徒への配慮をしつつ、多くの方に「校内見学」の機会を設けてくださっているわけですが、校舎外見学のみ可能というのはこちらだけのように思うのです。しかし、誰も「そこをなんとか・・」などと言わず、すすぎ川のほとりを歩き、藤棚の下でゆったりとした時間を楽しんで帰っていくのです。
それには、「説明会の充実ぶり」がかなり影響しているかもしれません。すべての教科の先生方が順に壇上に立ち、楽しい授業を連想させる話しぶりでどんな授業をどんなふうに行っているのかを話してくれるのです。各科それぞれの熱いお話からは、この学校には「主要教科」などという言葉は存在しないのだということが想像できます。私が参加させていただいたのは数年前の説明会でしたが、皆さん必死にメモを取り、お父さま方の姿がかなり目立ったことも印象に残っています。校長先生や入試担当の先生からのお話よりも各教科の先生方からのお話が長いというのも他に例がないかもしれません。
時には専門的なお話などもあって、参加者の皆さんは終了後、相当「脳」を刺激されたような状態になって講堂から出てこられます。そしてそこには「すすぎ川」が待っているのです。木々の合間から見えるきらきらとした川面は訪れたすべての者をやさしくつつみ、ゆったりと流れていきます。なんともいえない心地よさを感じながらアヒルやニワトリをボーっと見つめている自分にふと気づきます。この「すすぎ川」の流れのようなゆったりとした時間のなかで「生徒」や「授業」が大切にされている様子は、校舎内を見なくても十分感じることができたのでした。
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