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学校探求【12】〜東京女子学院(TJG)の教育改革の成果(3)
2006年4月24日
by 本間勇人(honma@netty.ne.jp)

◆ 4月22日、TJGは中学体験学習会を実施。正直驚いた。この時期に学校説明会を始める学校は確かに多くなっているが、TJGが速くも始めるとは。しかも説明会というよりも算数と英語の体験学習をいきなりである。

◆ とにかく体験学習会後、私の携帯電話の向こうに、その模様を興奮して説明しているTJGの先生がいた。この1年間をTJGに入学する準備の期間としてどのように過ごしていったらよいのかについてのガイダンスと勉強の創意工夫や楽しさについて伝える学習会だったそうだ。

◆ 吉田教頭の学習会がすごかったようだ。計算も創意工夫という思考力をもってすれば、こんなに楽しくなるという親子いっしょの授業。「目からウロコでした」という母親の声もでたらしい。まるであの「博士の愛した数式」(小川洋子著)に出てくるような数の美しさを体験できたということだろう。ガウスの法則など、数学者の物語も挿入したらしい。

◆ ちょっと待った。吉田教頭先生がこの時期から自ら体験学習会に参入したのですか、それは本当なんですかと、私は聞きなおした。何をそんなに何回も聞きなおすのか、本当ですよと。吉田教頭先生と言えば、元駒場東邦の教頭で、数学の教鞭をとっていたはず。東大、東工大、早慶にがんがん進学していった駒東生の数学的センスを鍛えてきた実力者。その先生の学習会に親子で参加できたなんて、なんてすてきな会なんだろう。

◆ でっ、吉田教頭先生が元駒場東邦の先生だってこと、その保護者の方々は気づいていたのですか。ちゃんと伝えたのですかと聞いたところ、もしかしたら伝えてないかもしれないと・・・。たしかに駒場東邦は男子校だし、一方TJGは女子校だから、ピンとこないかもしれないが、こんな貴重な体験は、他の男子校でもできないだろうに・・・。しかし、そこが吉田教頭らしいところではあるが。

◆ もう1つの英語の体験学習も、感動を生んだようだ。"How do you feel today?""I'm happy." という会話が成り立ってしまったという。まずは、英語で気持ちを伝えようというところから始まったらしい。身近な英単語で伝えられるし、何と言ってもコミュニケーションのつかみは自分の気持ちを伝えることだ。

◆ TJGの英語の先生は、もちろんネイティブ・スピーカーなのだが、英語を母国語としていない外国人に英語の学習をコーチする専門家である。英語は初めてという学習者と接するのはプロ中のプロ。子どもたちはいつの間にか先生と目を合わせながら吸い込まれるように話をしていたという。

◆ この時期にこのような体験学習会を実施できたということは、TJGの教育改革が学内に浸透したという証である。思いつきで、一年間の準備を伝える体験学習会というガイダンスを行えるものではない。

◆ 今年の高校1年生はTJGが教育大改革を実行したとき中学1年生だった。中学修了時に300ページを越える分厚い「中学論集」を書き上げている。アインシュタインの相対性理論について論考した生徒もいる。中学3年生だから、アインシュタインの偉人伝のまとめだろうと思ってページを開いたら、デカルト、ニュートンの宇宙論というパラダイムを覆すアインシュタインの相対性理論そのものについて考え抜いていた。そして「私達はあけてはならぬパンドラの箱をこじあけてしまうのかもしれない。しかしきっと宇宙のすべてを知るまで人間達は宇宙の真の姿を探し求めるだろう。私はこれからもずっとこの空の下でそのようなことを考えながらこの広い大空をみつめているのだろう」とまで書いている。女子教育における理数系のキャリア・デザインが着々と進んでいるではないか。

◆ どうやらTJGの教育改革はいよいよ本物になってきた。受験生にこの誠の道を知ってもらうように、TJGの広報担当の先生方は頑張って欲しい。ホンマノトオが一助になれば幸いであるが。



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