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| 学校探求【8】〜白梅学園清修の第一回入学式厳かに清々しく開花 |
| 2006年4月10日 by 本間勇人(honma@netty.ne.jp) |
| ◆ 4月9日、秋田中子校長より白梅学園清修中学校第1期生の入学許可宣言が行われた。入学式はシンプルだったが桜まろびし中、その満開の桜の花びらのように美しく丁寧な言葉がホールに響いた。
◆ エリアコラボレーション(従来の部活動とは違い、5時間目の30分程度の延長や校外学習の中で実施する活動で、近隣の大学やその他研究室などから専門家を呼び、バイオリン・ビオラ・チェロ、美術、エアロビクス・ヨガなどの活動が予定されている)の講師の弦楽四重奏、バッハのカンタータ「主よ、人の望みの喜びよ」が始まると、新入生たちが保護者と教師、来賓見守る中入場。厳かだが希望をたたえる旋律が、第1期生たちの学園生活の扉を開いた。 ◆ 秋田校長は、生徒たちと3つの約束をした。こんな感じだったと思う。@毎日が記念日になるような学園生活をつくっていきましょう。先生にあなたの笑顔がいいねと呼びかけられたら、「笑顔記念日」でしょう。あなたの歌声がのびやかですねと語られたら「歌の記念日」です。苦しいことも楽しいこともすべてが記念日です。A異なる感じ方や考え方を持った友達を尊重しましょう。人間関係の調整をみなさんは自分でやる時期です。自分を生かして他人を生かせる仲間作りをしましょう。B清々しく学問を修める。この意味が「白梅学園清修」という校名には込められています。大志を抱いて、主体的に自分の道を開いていきましょう。その支援をします。 ◆ 要するに生徒1人ひとりの自己実現のサポートシステムは、清修の先生方と生徒たちが編んでいくコミュニケーションネットワークなのだという宣言だったのであろう。がそれにしても、毎日が記念日という考えはどこにつながっていたのかというと、俵万智の『サラダ記念日』。秋田校長は、≪「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日≫を紹介した。オシャレだなと思ったが、本当は秋田校長は、与謝野晶子という革命的な女性の生き様を紹介したかったのだろうが、そこは入学式、まずは軽く。だがその掛け言葉的な発想をちゃんとわかっていたのは入学生。 ◆ 新入生代表の挨拶が、本当によかった。ああ自分の言葉で語っているなあと感動を受けた。「中学受験の準備は不安もいっぱいでしたが両親と先生方に支えられ、そのおかげで今日の入学式を迎えられました。心から感謝します。しかし、一方で、これまでとは違う不安と心配が生まれてきました。逃げることなく、今度は自分で乗り越えようと思います。与えられた勉強をするのではなく、自分から学んでいきたいです。もちろん、心配ばかりではなく、工夫された授業とそれ以外にもたくさんの課外授業や研修旅行などを先生方が用意してくださっています。6年後、きっと先生方が、成長している私たちに会い、胸を張って、自慢してもらえるようがんばります」。こんな感じだったと思うが、秋田校長先生のサラダ記念日の返歌として、金子みすずの「私と小鳥と鈴と」を詠んだのには驚愕した。「鈴と、小鳥と、それから私、みんなちがって、みんないい。」みんなちがうから、みんないい。みんなと協力して楽しい学園生活を送っていきますと宣言したのだろう。 ◆ 保護者の挨拶もインパクトがあった。「第1回目の説明会に参加したとき、異様に気合の入った先生方だなと驚いた。風呂敷を広げすぎではないかと思ったが、なんともいえぬ魅力に、説明会のあるたびに家族で足を運んだ。そのうちに、この先生方は本気だという熱意が伝わってきた。もしこれが実現したら清修はすごいかもしれない。学校は校舎でも制服でもない。熱意と実行力ある教師の存在がすべて。それに清修のように、自分たちで自分の学校の歴史を作っていくんだという意志を持った一期生の存在も大きい。」と、清修にかける大きな思いが語られた。それにしても清修に寄せるこの思いを、これまた一休禅師の「この道を行けばどうなるものか。危ぶむなかれ。危ぶめば道はなし。踏み出せばその一足が道となる。迷わず行けよ。行けばわかるさ」という言葉に重ねたのには胸を打たれた。 ◆ 白梅学園清修のコミュニケーションシステムは入学式のときから始まっていたのである。いったい誰が仕掛けたのだろうか。もちろん白梅学園清修の目に見えないカリキュラムである。 ◆ 途中で新入生を歓迎する弦楽四重奏。≪G線上のアリア≫。この曲は有名で、イベントの時にはよく演奏される曲目だが、なぜこれが新入生のために演奏されたのか。バッハの管弦曲をバイオリンのG線一本で弾くチャレンジが行われたエピソードにちなんで選択されたのではないだろうか。 ◆ さて、白梅学園清修の目に見えないカリキュラム。それは小松隆二理事長のあいさつの中にあった。創立64年を迎える白梅学園の前にプロットタイプがあったのだ。白梅学園の創立者小松謙助は、大正デモクラシーの立役者吉野作造の思想の影響をうけたようだ。デモクラシーとヒューマニズムの魂が白梅学園の見えないカリキュラムの基本思想だったのである。 ◆ 小松謙助は、吉野作造の思想や活動を支えた穂積重遠や牧野英一(いずれも東大法学部の博士)、渋沢栄一など知識人、政財界人と日本の未来を語り、社会教育協会を結成するなど、日本の社会を支える人材教育、特に女子教育に力を尽くしたそうだ。その流れが白梅学園創立の理念に結実したということらしい。 ◆ 小松隆二理事長は、この大正デモクラシーという無から有を生み出すような創造的な先人たちの智恵と夢と実現力を白梅学園清修の見えないカリキュラムとして新入生たちに捧げる覚悟を熱く語っていた。 ◆ 入学式を終始、厳かで穏やかな儀として進められていた柴田教頭先生は、閉式の辞を務めたあと、すぐにいつもの「柴田です(ニコッ)」で、会場を笑いの渦に巻き込んでいた。緩急の演出はさすがだ。今後の白梅学園清修物語のプロデュース。大いに期待したい。 |
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