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| 学校探求【1】〜100年を超えた女子聖学院 |
| 2006年3月13日 by 本間勇人(honma@netty.ne.jp) |
| ◆ 昨年、女子聖学院が創立100年を迎え、今年100年を超えた。同学院の卒業生であり国際舞台で活躍するギターリスト村治佳織さん(村治佳織さんについてはNTS教育研究所「編集者コラム2006年3月9日」を参考)ではないが、物事が100年の間続いていくというのはすごいことである。そして小倉校長先生は、第2世紀の女子聖学院を創るために101年目を踏み出した。
◆ 首都圏は、良くも悪くも中高一貫校の時代を迎えている。創造的な仕事へのキャリア・デザインと新しい学びへの期待。グローバリゼーションの中でリーダーシップを発揮できる人材作りへの野心。そういうビジョンが中高一貫教育に期待されているが、第2世紀の女子聖学院のビジョンもそれは同じである。 ◆ ただし、ビジョンは実現しなければ意味がない。公立の中高一貫校の課題は、その実効性である。女子聖学院のように100年続いてきた力をそう簡単に生むことができるのだろうか。創造的な仕事へのキャリア・デザインというものは、聖学院報No.27の記事で村治佳織さんは、こう語っている。「目標のある生徒には理解を示し、将来やりたいことを探している生徒には様々な可能性を示唆してくださる、そんな懐の深い女子聖学院の良さがずっと続いていけばいいなと思っています」と。 ◆ 「懐の深さ」。もちろんこれは単純に歴史が長いというだけのことを指しているのではない。長い歴史の間に葡萄の木のように様々なネットワークを張り巡らし、互いに支え合う関係が出来上がっているということを示しているのだろう。 ◆ アフリカで青年海外協力隊員として活躍したOG武藤珠生さんもこの「懐の深さ」で育った。同報でインタビュー記事が掲載されているが、国際協力に関心を持ったきっかけは何かという質問に対し、武藤さんは「最初のきっかけは高校時代の地理の授業かもしれません。世界中の国々の国名と場所、首都名と国旗を全部覚えなければならなかったんです。といっても、私は全部覚えられませんでしたが。夏休みの宿題は、地球儀を作ることでした。あと、人口密度やGDPなどのデータを一位から順に並べるとか。外務省の広報誌のコピーを読んで、レポートを提出するなんていう宿題もありました。そういう授業を通して、世界にはたくさんの国があるとか、世界の中で日本の立場とか、知らないうちに関心や興味が高まったのだと思います」と答えている。 ◆ この授業スタイルは、実は「知識伝達型学習」ではなく、今求められている「知識創造型学習」である。すでに女子聖学院は新しい学びの実績を積み重ねてきたのである。にもかかわらず、小倉校長先生は「内なる建築」を目指すという。さらにソフト面として教育力の充実を目指すというのである。2007年には新校舎が完成する予定だが、それだけでは満足しない。ソフトの充実もなければならないわけだ。このソフトパワーは、サーバント・リーダーシップという女子聖学院らしいリーダーシップ観を生み出すものでもある。 ◆ 女子聖学院の第2世紀は、独創的で、それでいて他者の痛みを引き受ける心をもった人材、つまり小倉校長先生の言葉で言えば「オンリーワン・フォー・アザーズ」を実現する人材育成の拠点になることを目指しているということではあるまいか。 |
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