私学Bracketing 私立中高一貫校研究 学校選択を考える 入試について 学力を考える 学びを考える
フランク・ロイド・ライトとの対話 これからの教材 企業と経済研究 入試に役立つ読書 未来を創る学校 ホンマのエッセイ





中村学園を通して女子私立中高一貫校を考える(8)
2005年12月15日
by 本間勇人(honma@netty.ne.jp)

◆ 以前本シリーズ(6)で「中村学園五代校長小林珍雄先生は、カトリック神学者で、上智大学の教授だった。そしてベネディクト16世が、ヨゼフ・ラッツィンガー枢機卿時代に書かれた『キリスト教入門』を翻訳されているのである。」と書いたことがある。いつだったか現校長小林和夫先生がどこかでそれを見てくださり、五代目の校長先生の功績のお話をお聞きした。その折、「私が学生時代に友人から借りて読んだので、本そのものは持っていないのですよ」と言ったら、小林校長先生は、「もし中村学園にあればお送りしましょう」と言ってくださった。

◆ そして学び探しのヨーロッパの旅からオフィスに戻ってくると、私の机の上に4冊の書籍が在った。小林校長先生からお送りいただいたものだった。「キリスト教入門」だけではなく、五代校長小林先生の業績である3冊の書籍も加わっていた。

◆ 「法王庁」小林珍雄著(岩波新書1966年)、「反対をうけるしるし ヨハネ・パウロ二世」カロル・ウォイティワ著・小林珍雄訳(エンデルレ書店1980年)、「ヨハネ・パウロU世」M・マリンスキ著・小林珍雄訳(エンデルレ書店1980年)がそれである。

◆ 特に「反対をうけるしるし ヨハネ・パウロ二世」の「序によせて」には日本の当時の大司教ペテロ白柳誠一が書かれているぐらいだから、五代校長小林先生というのは相当見識のある宗教学者だったに違いない。

◆ この本の主題は、たんなるものわかりのよいキリスト者ではなく、事にあたって毅然たる態度のとれるキリスト者であり、人々の希望の光であったヨハネ・パウロ二世の思索の軌跡である。と同時に五代校長小林先生の遺稿絶筆でもある。

◆ 中村学園のホームページにある「五代校長小林珍雄は、師弟間の親愛の大切さを掲げ、校訓に加え『3つのS』1.わがままをおさえる=Self-control 2.ひとに迷惑をかけない=Self-government 3.ひとに親切をつくす=Social Serviceという目標を設定し、単に進学のための教育ではない、社会に奉仕する心の教育に力を注ぎました。そして、これらは中村スピリッツとして、現在も大切に受け継がれています」という表現には、ますます厚みのある中村学園の精神性が在ることに改めて気づいた。年末お二人の思索を重ね合わせながらじっくり読みたいと思う。


私学Bracketing 目次へ