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学校探し(75)〜入試問題が語る桐朋女子の教育の質
2005年11月10日
by 本間勇人(honma@netty.ne.jp)

◆ 桐朋女子の教育を知る大きな手がかりは入試問題。それは同校自身がその説明会で配布している入試問題の冊子のコンセプトに明快に現れている。そのコンセプトとは「桐朋女子中高教育は入学試験から始まります」というもの。

◆ 2004年から、2月1日、2月2日の2日間にわたって実施していた入試を2月1日のみに絞った。一般的な模擬試験のような入試問題とは違い、筆記試験と口頭試問という形で桐朋女子の教育のエッセンスを入試の時点から体験できるのだから、時間がかかる。しかし、今時東京エリアで、2日間で1回分の入試を実施している学校はない。桐朋女子を志望する生徒が同校の期待通りに集まらない。良いことをやっても必ずしも生徒が集まらないというジレンマをどのように乗り越えるのか。経営陣は悩みに悩んだと推察する。

◆ しかし、そのエッセンスを決して変えることなく、かつ入試日を1日に絞るという教育の理屈と経営の倫理を見事に融和させた。それまでの入試の出題様式は、教科の枠を超えた、つまりCCC(クロス・カリキュラム・コンピテンス)をみる問題様式だった。言語分野と理数分野という形式。魅力的だが、マスにはウケない。もっとも2009年以降、OECD/PISAの報告が出れば、桐朋女子の従来の試験のあり方は、最前線だったということがわかるだろうが、それまでは一般大衆やマスコミはわからないだろう。

◆ そこで2004年から、国語・算数という教科の問題と口頭試問用の問題と2つに分け、知識の関連付けと創造的才能のベクトルを明快に分けて出題する様式に変えた。入試を受けるスタート時間も3回に分け、合理的な試験制度を創りあげた。2日が1日になったという大制約が桐朋女子の先生方に創意工夫を促した。たいていなら妥協の産物が出来上がるが、制約をうまく活用して新しい入試制度や出題様式を創造した。

◆ この先生方のパフォーマンスの高さこそ、桐朋女子の教育の質を担保しているといえよう。それにしても従来の問題だと創造的才能を見出すテストというある意味偏ったイメージ(もちろん本当は違う)をマスに与えていたが、今回の新スタイルは、知識と創造の合力を重視していることを明快にアピールすることができる。大学受験のための勉強などしなくても大学進学実績は必然的にでる教育システムが十分にあると納得できる入学試験なのである。



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