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| 学校探し(72)〜教育ビジョンを明快に表現した女子聖学院 |
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2005年10月7日 by 本間勇人(honma@netty.ne.jp) |
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◆ 2005年10月7日、今年100周年を迎えた女子聖学院は、教育関係者を集めて学校説明会を開催した。ポイントは2つだったと思う。1つは、クリスチャンスクールとしての女子聖学院の教育の本質。もう1つはカリキュラムや入試制度などの改革。 ◆ 説明会は、校長小倉先生の講話から始まった。しかもそれは衝撃的だった。たしかに校長先生は牧師でもあるから、死について話すのは問題ないが、100周年を迎えた女子聖学院の教育の説明会で語るのに、なぜ死なのだろう。おそらく参加者は、一瞬不思議な感じに包まれたに違いない。 ◆ しかし、校長先生のお話が進むにつれ、これは女子聖学院の教育の根源的な前提を話されているというのがわかってきた。死の訪れは、予想も計算もできない。突然やってくる。しかもそれを誰も避けることができない。常に存在に横たわる不安だ。私たちはこの不安とどのように付き合えばよいのだろうか。この人間にとっての根本的課題。これを乗り越えられる自己実現の導きが女子聖学院の教育なのではないか。そしてこの人間の課題は、一足飛びにクリアできるような問題ではない。教師と生徒が互いに痛みを分かち合いながら、1人ひとりの生徒にあった自己実現の道を共に探す以外にその術はないだろう。 ◆ 一方校長補佐村瀬先生は、教育カリキュラムの改革の話をされた。2006年度から授業5日制を授業6日制にシフトする。これによって、夏休みに集中授業をしたり見学会をしたりして単位にあてるという必要がなくなり、すべて授業の中に包摂できる。なおかつ英語の時間が増え、週7時間になる。これによって近年成果がでてきた大学進学実績ももっと伸びるようになるだろう。しかも教科の課題は、人としての根源的な課題ではない。生きる力のスキル上の課題。この課題はタフで合理的なカリキュラムシステムがあれば、クリアできるのだから、成果はさらにアップするはずである。 ◆ 進路指導部長の渡辺先生は、進路にかかわる日本の現状をお話しになり、女子聖学院がそういう時代の問題を乗り越えていく体制を着々と進めていることを訴えながらも、ただ大学に入る力をつけるだけなら、ドラゴン桜のようにいくのだろうが、人間形成も同時に行っていくとなると即効性のある教育はできないと、人間形成か進学実績か、それが問題だと悩まれた。そういう痛みを抱きかかえる姿こそ、女子聖学院の教育でもある。 ◆ しかし、この3人の先生方のお話は、実は女子聖学院の明快なビジョンを表明しているのである。私は、この3つの話を【図−1】にトランスフォームしてみた。
◆ 小倉校長先生のお話は縦軸。人間の根源的な問題を解決するのが女子聖学院の課題ということ。この達成は物理的な時間で測ることはできない。永遠の今という瞬間の訪れが鍵。横軸は村瀬先生のお話。カリキュラムのタフで効率の良いシステムは大学進学実績を促進する。 ◆ ところが、油断するとBゾーンで大学に合格してしまう。人間の課題に無関心でも、今の大学入試制度なら、大学合格力だけを作ることもできるのである。しかし、人間形成と学力の両立、つまりAゾーンで、生徒たちには自己実現をして欲しいと苦悩していたのが進路指導部長の渡辺先生。 ◆ 女子聖学院がクオリティースクールであるのは、Aゾーンまで生徒が育ち、自らのキャリアをデザインしていく人間力を培う教育環境があるからである。これほど明快なビジョンと方法論を構築している女子校はなかなかない。 |
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