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学校探し(69)〜優しさの風薫る横浜女学院中学校(1)
2005年10月4日
by 本間勇人(honma@netty.ne.jp)

◆ 神奈川エリアの私立女子中高一貫校で、最も人気の高いのは、横浜女学院中学校。大学進学実績も伸びているし、みなと未来を見渡せるランドスケープも申し分ない。石川町駅から坂道を歩いていくそのシークエンスも豊かな感覚を培うには最適だ。ほとんどの進学校で活用している英語の教材プログレスに結びつける、つまりソフトランディングするためのいわばオリジナル・プレプログレスの創意工夫もすばらしい。偏差値も急上昇している。

◆ 人気が高くなるのは当然である。しかし本当の理由は何だろう。上記の理由だけで人気が集まるほど学校選択者の眼は甘くない。もっと何かあるに違いない。常々そう想いながら、それを確かめる機会がなかなか訪れなかったが、とうとうそのチャンスに巡り会える時がやってきた。

◆ そしてその理由を感じることができた。横浜女学院の先生方のおもてなしの意外性と温かさにその秘密があったのだ。人との出会いを大切にするもてなしの心。いつも出会っているはずの生徒とすれ違う時も決しておろそかにしない丁寧な接し方。休み時間など、校長先生、教頭先生と校内を散策していると、生徒たちとすれ違うが、そのときに両者は瞬間静止する。互いに道を譲り合ったり、話しかけたり、たんに「こんにちは」という挨拶では終わらない。シンプルだが多様なコミュニケーションが存在している。

◆ 来客として丁寧に扱っていただいた私に対してのおもてなしは、世界の果てから久しぶりに帰ってきた自分の息子を出迎えるかのようなおもてなしで、驚愕せざるを得なかった。人と人とのリレーションを大切にする心根。「変わらないものを愛したい。変わりゆくものを育てたい」という横浜女学院の教育信念そのものである。

◆ 教師と教師、教師と生徒、教師と保護者、教師と訪問者・・・。これらのリレーションシップを大切にするということは「変わりゆくものを育てたい」という意志が働いているということだ。人は時とともに変わりゆく旅人だ。しかし一期一会の強烈な関係は互いの世界を大きく変える出来事である。この出来事は横のリレーションを上昇のリレーションシップにシフトする。

◆ パンフレットの表紙で、なぜ「変わらないものを愛したい。変わりゆくものを育てたい」という横浜女学院の教育信念が十字架上に描かれていたのか、それと同時に葡萄の木が描かれていたのかが、もてなしの心根に見えたのである。そしてこの心根は横浜女学院のあらゆる教育実践と言説の中にコンセプトとして分有されている。進路指導の中にも、体育の授業の中にも、国際教育の中にも、生徒会活動の中にも、部活動の中にも、文化祭の中にも・・・。

◆ この横浜女学院のあらゆる教育活動を貫き通す柔かいそれでいてタフなパワーを、ある生徒はこう表現した。「優しい風が流れる学校」だと。たしかに優しい風が交流している空間が横浜女学院だ。しばらく優しい風の流れる横浜女学院の教育活動を考察してみようと思う。



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