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戸板学園(3)〜保護者に伝わる教育ビジョン
2005年9月14日
by 本間勇人(honma@netty.ne.jp)

◆ 9月9日の戸板学園の学校説明会に参加したがたいへん感銘を受けた。パーフェクトである。このような静かな情熱をもって理知的に語り、それでいてかわいらしいパフォーマンスの効いた説明会を可能にするには、学内の教師組織が柔軟かつ創造的、戦略的なチームワークに成熟していることが必要だろう。

◆ 学校説明会の内容は、今後も毎月チャンスがあるので、実際に参加してもらえばよいので、詳細は語らないが、気に入った点を幾つか書いていこうと思う。まずは今年の中学1年生保護者のアンケートから見てみたい。

◆ 「本校に入学を決めたポイントは?」という質問に対し自由記述で回答されたものが説明会で配布された。説明会で配布された資料は薄ピンク色のものが多いのであるが、これは同学園の校章が桃の花をベースにしているからだろうが、手に取る者に親しみと慈愛を抱かせる。

◆ さて、その慈愛に満ちたA4の紙に33の回答センテンスが掲載されていた。「学校の印象が大変よく、娘がどうしても戸板中学に入学したいという意志が堅かったから」「娘は図書館が良かった。また伊藤先生の対応が親切であったこと。父親は、立地条件、学校の雰囲気、伊藤先生の対応の良さ。母親は穏やかな雰囲気」「少人数制によるきめ細かい授業で大学進学も子供1人ひとりの個性を重視している教育、及び伝統的なしつけ教育」「先生方の熱心さ、優しさ、気配り」「教育理念・校風に共感を覚え、それが形だけでなくしっかりと実践されていることを説明会から感じ取ったこと」などなどのような回答が満載されていた。

◆ このセンテンスを12の学校選択リテラシー項目(選択指標項目)で語彙分析すると、【戸板グラフ−1】のようになった。(※1;12の学校選択リテラシーの項目は、詳しくは、「未来を創る学校」という書籍を参照のこと)

※1
(1) 自己実現プログラムを自覚的に実施しているか。自己欲求から自己実現へ。
(2) 教師は創造的コミュニケーション能力を発揮しているか。
(3) 時代の新しい文化に考えをもって対応しているか。
(4) 論文指導は、大学の卒業論文を超えるものであるか。
(5) 授業はプログレッシブな要素を包含しているか。
(6) プログレッシブな方法を導入した総合学習を他の教育活動に有機的に結合しているか。
(7) 英語教育は現地校で耐えられる英語力を養成できるものになっているか。
(8) ITはあらゆる教科で活用できる環境になっているか。またその環境を活用しているか。
(9) 芸術教育は、他教科に刺激を与える基礎になっているか。
(10) 進路指導ではグローバリゼーションに対応できるキャリア・デザインになっているか。
(11) 教育空間は生徒の潜在能力を引き出す空間として設計されているか。
(12) 説明会では教育理念が教育実践に具体的に展開していることが説明されているか。

【戸板グラフ−1】

◆ 【戸板グラフ−1】によると、12の学校選択リテラシー項目のうち、自己実現プログラム、教育空間、教育理念、創造的教師という4つの項目に集約される。これは、学習者中心主義で、生徒が自ら自己実現していくような学習の仕掛け、アフォーダンス型(※2)の教育空間のデザインをする創造的な教師が存在し、そのことが全体としてよい雰囲気=校力を生み出しているということを示唆している。まさに戸板学園の教育力そのものであり、それが保護者にきちんと伝わっているということなのである。

※ 2 アフォーダンスについてはウィキペディアフリー百科事典参照のこと。



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