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| 戸板学園(1)〜女子教育の基礎 |
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2005年8月30日 by 本間勇人(honma@netty.ne.jp) |
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◆ 第44回衆院選は、女性の進出が大きなテーマ。政治的な駆け引きについては、門外漢であるが、男性中心主義的な原理で回っていた抑圧的な世界から、日本もやっと抜け出ようとする兆候であることは確かである。 ◆ 女性の社会進出のポイントは、ドメスティックには、いまだに男女平等という権利問題であるが(もちろん重要である)、グローバルには、女性はTolerance(寛容)としての象徴的存在である点が肝心なのである。世界では、子ども、女性、戦争被害者、移民、貧困者、破壊された環境による被害者、エイズ患者などは、抑圧的な関係の中で困難を極めている。 ◆ 世界の問題や紛争の解決には、この抑圧的雰囲気を創造的な雰囲気にシフトするToleranceが必要だと言われている。Technology、Talent、Toleranceという3Tが世界を拓く鍵だとも言われているのだ。 ◆ さて、この3Tを備え、グローバルに活躍する女性が育つ中等教育の場として戸板中学校・戸板女子高等学校(以降「戸板学園」)があるのをご存知だろうか。もちろん、戸板学園は創立以来100年以上も続き、その名はある意味ブランドになっているので、知らない人はいないだろう。しかし、老舗であるためにトラディッショナルなイメージを持っている人もまだいるはずだ。 ◆ ところが2001年ごろから、戸板学園は教育改革に着手し、教職員一丸となって取り組んでいる。3Tを備えた教育の発想も、着実に現実化している。この3Tは、そもそも戸板学園の教育理念「知好楽」に対応している。だから2001年以降の教育改革は、まさに不易流行なのだ。 ◆ 「知好楽」というインテリジェント・トライアングルは、戸板学園のすべてに浸透していてフラクタルに仕掛けられている。それゆえ高次元の教育環境が生まれつつあり、21世紀型教育を模索している関係者には見逃せないし、戸板学園を知り得るには、高度な読解リテラシーが必要だ。 ◆ まず戸板学園の地政学的位置だが、中等教育は用賀に、高等教育は田町にある。共通しているのは、かつての大名庭園や政財界人の庭園をベースとした地にあるということだ。同学園の生徒も誇りに思っている広大な中庭とそこに誘う正門(いや用賀駅からと言ってもよい)からのシークエンスはまさに庭園そのものである。そして和室も同じ。庭園は人生のアートの世界共通語なのである。特にこの大名や政財界人の好んだ江戸の庭園や京都の庭園は、世紀末ウィーンの芸術、モネ、イサム・ノグチ、イギリス近郊の田園都市レッチワ−ス(これは後に日本の田園調布のモデルになった)、ル・コルビジェ、フランク・ロイド・ライト、ブルーノ・タウトなどに影響を与えるほどだった。この芸術的センスが、正門からの道行き、中庭、そして校舎の随所に仕掛けられた教育空間によって引き出されている。簡単に言えば、雰囲気がよいのである。 ◆ 生徒にとったアンケートの調査結果を特集している戸板学園通信(13号)によると、戸板学園に入学を決めた動機の51%が「雰囲気が良い」であり、18%が「環境・設備の良さ」、13%が「やりたいクラブ活動がある」、5%が「行事が楽しそう」であるから、入学前から生徒たちの約90%が芸術的センスやそれを引き出す環境に気づいているのである。つまり3Tに満ち溢れていることに気づいているということを示唆している。 ◆ また、戸板学園の先生の印象は、「面白い」「明るい」「優しい」という順になっている。ますます雰囲気がよくなるはずだ。OECD/PISAの報告によると、学級雰囲気は教師のコミュニケーションスタイルに左右される。同学園の先生の印象は、抑圧的ではなく創造的なコミュニケーションスタイルをとっていることを推測させるデータである。同報告書によると、学級雰囲気は学力形成にも影響を与えるという。このように見ていくと、戸板学園の未来に期待が持てるのが少しずつわかってくるだろう。 ◆ さて、同通信によると、戸板学園のイメージカラーのランキングは、ピンク、グリーン、オレンジの順。一般的には、赤と青が好まれるのに、どちらもランキング入りしていない。これは何を示唆しているのだろうか。もちろん3Tが背景にあることを意味しているのだが、これについての考察は次回に。 |
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