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学校探し(61)〜かえつ有明は女子教育を生かした新しい共学校へ
2005年6月16日
by 本間勇人(honma@netty.ne.jp)

◆ 2006年4月、嘉悦女子は、「かえつ有明中・高等学校」(以降「かえつ有明」と表記)という共学校として生まれ変わる。そのためのビジョンはどういうものかというと、「難関大学合格を果たす!『かえつ有明』!!」ということだそうだ。

◆ これは確かに重要なビジョンであるが、問題はどのように「果たす」のかそのプロセスである。6年間一貫の教育や学習の活動の仕掛けがどのようになっているのかということである。この点に関しては、これから開催される学校説明会で披露されるはずであるから、今から大変楽しみである。

◆ というのも、2人の入試広報の先生とお会いする機会があったのだが、そのときお話を聞きながら、相当新しい学校作りになるなと直感したからである。学校の雰囲気が生き生きとするかネガティブなものとなるかは、教師力にかかっているといっても過言ではない。実際OECD/PISAの報告書もその点について注目しているのは周知の事実である。

◆ 入試広報担当の2人の先生のうち、お1人は教育の論理に明快で夢を大いに抱いている先生であった。もう1人の先生は、経営の倫理という見識を持った方であった。この教育の論理と経営の倫理という2つベクトルの合力が、かえつ有明の未来像を描くに違いない。その結果の1つが「難関大学合格」ということなのだろうが、どうもお2人の先生の話を拝聴していると、それは保護者や塾向けにわかりやすく表現しているのであって、本当のところは、これまでにない新しい共学校作りに意欲を燃やしているようである。

◆ お2人の先生は、データを通して教育を語ることに慣れている。これは学校という文化にあっては新鮮である。それに他の学校の特徴を綿密にリサーチされている。自分たちの目と耳でマーケティングを行っているのだが、これも新しいタイプの教師像である。もちろんその上で、かえつ有明の独自路線とは何かを探究しているのである。

◆ そして何よりも新しい授業の理念や方法論の研究をされている。欧米の学校や当教育研究所が取り組んでいる「世界を変える学習」と相通ずるものがあるのだ。「世界を変える学習」とは、簡単に言えば、軍隊(military)・成金(money)・遠隔操作(media)という3M世界観から寛容(Tolerance)・創造的才能(Talent)・技術(Technology)という3T世界観にシフトできるものの見方・表現力をもった人材が育つ学びの場である。

◆ もっと簡単に言えば、抑圧的世界観から創造的世界観にシフトするということである。女子教育のベースはもともと創造的世界観であるが、日本の近代国家における教育のベースは男性原理に支持される抑圧的世界観(日本のGEM=ジェンダー・エンパワーメント・指数はいまだに44位と国際社会では低い)である。嘉悦女子の女子教育のベースを生かした共学校作りは、男子生徒を受け入れるとき、彼らを男性原理から解放する学習環境を仕掛けることになるだろう。これがかえつ有明の女子教育を生かした新しい共学校の本当の意味ではないだろうか。説明会が楽しみである。



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