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学校探し(46)〜順心女子学園は質の高い教員の存在が特徴
2005年2月15日
by 本間勇人(honma@netty.ne.jp)

◆ 今年、順心女子学園の中学入試応募者総数は216人で、前年対比は142%。実質倍率はそんなに高くはないだろうが、とにかく応募者総数が増えたという事実には何か理由があるはずである。

◆ その1つは、久保田校長先生の存在とその活躍にあることは間違いない。「校長がかわれば学校が変わる」という著書はあまりに有名だし、それはフィクションではなく、実際の話でもある。それから順心女子学園のOG江國香織の直木賞受賞の話題も関係しているかもしれない。

◆ あるいは、大学進学実績がこのところ相対的に好調だということもあるかもしれない。中学入試段階では芽がでていなくても、6年間の教育の中で、人は大きく育つ。そういう生徒1人ひとりに適合したカリキュラムを作っているのは、順心女子学園の大きな特徴である。

◆ しかし、実際にはあまりにダイナミックで、大手塾関係者には見えないが、教養ある保護者や見識のある中小塾の経営者には見える肝心な動きがあるというのが本当のところだろう。

◆ それは読書指導と小論文指導の充実。とくに読書指導においては、全国の読書運動を動かすプロデューサーの腕を持った教師がいる。英語教育もおもしろい。グローバルな教育活動をこれまたプロデュースする教師がいる。「地政学的」にいっても、多くの国の大使館が近くにある。大使館と連携する学習プログラムも実施しているようだ。

◆ そして芸術教育。カントもヘーゲルも、その判断力批判と美学はあまりにも有名で、人間とは何かは美的判断の階梯を経なければならないようだ。順心女子学園はキリスト教や仏教のような宗教をベースにするミッション校ではない。だから、豊かな芸術教育による他教科を横断するようなクロス・カリキュラム・コンピテンスの育成が重要である。これがあるからこそ生徒たちの自己実現の道が拓くのである。

◆ さらに、この感性を実存的な問題としてとらえ返す特別プログラムもある。「人間社会学」講座。アウシュビッツや医療の最前線における人間の乗り越え難い極限状況を考察する授業だ。ハンナ・アーレントやフランクル、神谷美恵子の思想と対決する学習であり、東京大学後期試験の論文を思わせるような高度な思考を要するのだが、生徒たちは芸術的センスでその極限を受け入れ、乗り越え超えようとする。それがやがて小論文で論理的に展開されることになるのだろう。

◆ このように順心女子学園には、グローバルセンスと実行力を有した教師がたくさんいる。あとはこの多くの知を結集する戦略的アイデンティティをどのように構築しアピールするかだが、それは理事長もしくは理事や校長の手腕にかかっているのかもしれない。



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