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学校探し(44)〜中村中は心を響かせる教育を歩む
2005年2月11日
by 本間勇人(honma@netty.ne.jp)

◆ 中村中は、今年も応募者を順調に集めた。それはなぜだろう。実際に足を運んでみるとわかるが、それは心を響かせる教育をしているからだ。学校内、地域、海外へとその活動はいわゆるグローカルだが、中心はコミュニケーション。

◆ コミュニケーションというと今では当たり前すぎて、逆にぴんとこないかもしれない。しかし、これほどコミュニケーションという言葉が溢れているのに、その本質を語る人がほとんどいないという時代も珍しいかもしれない。

◆ EI=emotional-intelligenceという言葉がある。日本で有名になったIQに対してEQという言葉があるが、このEQの前身の言葉である。こちらの方は、マスコミがつけて流行らせたキーワードである。しかし、もともとEIはIQに対比される言葉ではない。むしろ包括的なのだ。

◆ 麻布の国語の入試問題は、心情も論理で読み解くのだという信念があるが、それとは逆に中村の教育は論理も心に響かないと思想にならないという気持ちがある。それが隅々にまで浸透しているから、中村の生徒たちが演奏する木管や金管からの音色は心を響かせる。地域や海外の人々との対話は心を響かせる。バレーボールなどの息があったプレイは心の響きがなければ到底できるものではない。

◆ その響きは「深川七福神巡り」にまで伝わっている。空中図書館「コリドール」をその巡る経路の1つの箇所として公開しているのだ。毎日新聞や朝日新聞にも取り上げられるほど公共的な活動をしているのである。公共性は共鳴音が響かねば成り立たない。「七福神巡り」は、深川というローカルな行事では実はない。恵比須神は唯一日本の神様と言われているが、他の神々は仏教や道教などにその由来があるという。実に超時空的にグローバルな文化探究の価値ある行事である。

◆ こういう学習環境を設定しているのが中村中の教育空間でもある。そのことは小林理事長・校長がサイトの中で語っている。中村中の教育空間は、言葉としてのコミュニケーション、芸術としてのコミュニケーション、文化としてのコミュニケーションが、心を響かせる楽器として組み込まれている。

◆ しかし、響きや声は、残念ながら永遠の瞬間で、そこにいなければ聴こえない。聴覚を視覚に変換させて心を響かせる広報の専門化が小林理事長・校長以外にいないのが、中村中の今一歩ブレイクしない理由なのかもしれない。もっとも、本物をわかる人がわかれば教育というものはそれでよいのかもしれないが。



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