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| 学校探し(39)〜企業的センスのある公文国際学園 |
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2005年1月19日 by 本間勇人(honma@netty.ne.jp) |
| ◆ 来年2006年、トヨタ私立寮制中高一貫校とも言うべき「海陽学園」が開校する。そのPRは新聞やホームページで流され、世の認知度は急速に広まっている。さすがは80社以上の企業をサポーターとして集めることができるトヨタ(今更言うまでもなくトヨタだけではないが)のやることはすごい。
◆ しかし、もっとすごいのはパブ記事をNewsweek(050119)に掲載したことだ。一般の私学はこういう受験雑誌ではないグローバル誌に掲載する必然性を持ちえていないが、「海陽学園」はバックがグローバリゼーションの頂点を極めようという企業であるがゆえに、こういうことを大胆にやってしまうのだ。 ◆ 「海陽学園」はあくまで私立学校だし、学校法人であるが、実質的にはあるいは発想的には株式会社学校なのである。さて、株式会社が事業を展開しようとするとき、まず徹底的にやる行為はリサーチだ。データマインニングだ。マーケティングだ。おそらく「海陽学園」もそうだろう。そして言うまでもなく同学園が、イイトコドリをしようとした学校が幾つかあるはずだ。その学校は、イギリスのパブリックスクールだとか、アメリカのプレップスクールだと言っているが、そんな一般論では学校など開校できない。 ◆ もっと具体的なモデルが必要なのだ。私はそのモデル校は5校あると予想する。まずは開成、灘だが、それはあまりに当然だ。次に男子校時代の愛光の寮制度。これは必ず参考にしているはずだ。それから海城学園。この学校は名前までモデルにされている。「城」と「陽」の一字違い。また海城学園は、世界を相手にするために、那須海城という全寮制の学校を作ったが、「海陽学園」は新大久保にある海城と那須海城の統合モデルを組み立ててみたに違いない。なんといっても男子校だし。 ◆ さて、しかし、本当のところは株式会社のセンスを持ち合わせている公文国際をモデルにしたのだと思う。その理由は、(1)グローバルな実績を持っている企業が母体となって、その実績を活かした企業的戦略を教育に導入している。(2)徹底した自立/自律という個人ベースの知のトレーニング・プログラムを構築し、10年間で確固たる大学進学実績という成果を上げている。(3)「公文国際学園生徒憲章」なるものを作り、グローバルスタンダード・ベースな価値観を育成しているなどが考えられる。 ◆ 論文指導だとか、最終的には英語でエッセイが書けるだとか、科学的ものの見方を実証主義的手法でトレーニングするだとか、そういう最先端の手法は当たり前のように実践しているが、それは教師の力量に任せるだけではなく、校長のトップダウンのマネジメントが貫徹しているという組織作りも大いに参考になったはずである。 ◆ しかし、公文国際学園の母体は知というソフト開発を専門にしている企業である。「海陽学園」は、ハードの開発に長けている企業である。いやCSRや環境にやさしい手法をどこよりも熱心にやっている企業だからソフトを重視していると反論されるかもしれない。しかし、CSRや企業が環境にやさしく行動しているなどというのをまともに受け入れるとしたらそれは無理がある。化石燃料をがんがん使っておきながら、環境にやさしいとかCSRを追究するというのは、たしかによいことだし、是非進めてもらいたいことだが、正当化論にすぎず、その信頼性、正統性、妥当性はそれほど高くないだろう。 ◆ そういう自己矛盾をどのように教育現場で乗り越えようとするのだろうか。乗り越えようとするならば、「海陽学園」の思いは非常に価値があるだろう。ともあれ、少なくとも公文国際は、そういう自己矛盾は生んでいないわけだから、「海陽学園」は初の本物の教育に挑戦することになるということになるのかもしれない。学校はそういう自己矛盾を避けられる場に逃げこむことができるが、企業はそうはいかない。公文国際を超えるには、この自己矛盾を解決するしかない。大学実績で競ってもおそらく大差なしという結果になるだろう。 ◆ 教育は表現としての問題解決という高みに上り、学尊民卑の立場を保守できるが、企業は実践としての問題解決という高みに上って俗に還る立場こそCSRの正統性を誇れる。『公文国際学園』VS『海陽学園』。今から楽しみだ。 |
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