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学校探し(35)〜京北学園の授業は豊かな知性とタフな精神を育てる
2005年1月12日
by 本間勇人(honma@netty.ne.jp)

◆ 20世紀は、世の中は専門分化し、どうしてこういう技術やルールがあるのかなどという「世界」を考える哲学は衰退してきた。しかし、21世紀はもう一度専門・技術の背景に「世界」を取り戻さなければ、人間、精神、社会、自然の諸関係や循環性はとらえられなくなってきた。

◆ 京北学園は、その創設者哲学者井上円了の意志とビジョンを継承し続け、授業の中で、校外学習の中で、「世界」を批判的に考え、生徒1人ひとりが、自己の拠って立つ「世界」を構築し、シェアできる場を作ってきた。もちろん大事なことは、この「世界」というものには公共性という信頼性と妥当性が必要だということである。

◆ このような公共性のある自己実現プログラムをイベント的な発想ではなく、授業そのものの中に埋め込んで、なおかつ京都大学や早慶上智に進学させている。もちろん、創設者を共有する東洋大学にはたくさん進学している。

◆ 京北学園の授業の特徴は、(1)21世紀型の人間回復のプログラム(2)丁寧なコミュニケーションを重視している(3)チームをベースに個性を形成する(4)生徒、家庭、教師の対話による信頼の絆を、学習意欲に転化させている(5)東京大学、千葉大学の教授、大学院生などの外部リソースを他の追随を許さないほど活用(6)カウンセリング・ベースの環境を導入。

◆ したがって、最先端の教育学、心理学の情報を授業という生徒のコミュニケーション場(=哲学は対話に始まり対話に終わる)に導入しているので、豊かな知性とストレスに耐えたり回避したりするタフな精神を育てることができる。

◆ もちろん、豊かな知性とタフな精神が備われば、モチベーションは高まるし、自ずと自分の将来に必要な知識は大量に修得していくことになるだろう。本物の自己実現プログラムは授業の中にある。これが京北の他校には真似のできない大きな特徴であるが、なぜ真似ができないのか。

◆ それは校長が理念を語るだけでなく、自ら丁寧なコミュニケーション授業を実践し構築し、学校の教師全員とシェアしてきたからであり、そのようなマネジメント力やよき仲間の存在という条件がなければできないからである。6年間で生徒を心身両面から総合的に成長させる伸長率なるものは、抜群の男子校である。

◆ さて、合理主義・計算主義・スコア主義というモダニズムや消費生活と微分化された断片個人主義を加速させたポスト・モダニズムをどう乗り越えるか。それが京北学園の先生方に課せられたミッションであろう。



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