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インターネットから学校選択を考える-開成サイト

2002年2月28日
by 本間勇人(honma@netty.ne.jp)


■ 開成のホームページは実にシンプルである。基本的に入試説明会の告知板であり、在校生と保護者との情報共有の場である。残念ながら学校の質、教育内容の質をホームページで表現しようという意図は全くないようである。そこら辺が麻布のサイトとは大きく違う点である。ただし、単なる学校案内をそのまま貼ったものではなく、発信する内容を厳選しているという態度がはっきりわかるサイトである。

■ そういう意味ではインターネットをどのように活用していくべきか学内できちんと議論がなされていることが伝わってくる。保護者の会員サイトがセキュリティーシステムで稼動しているというところからもそれはわかる。

■ 運動会のページは生徒が制作しているが、開成当局が発信しなくても、開成の教育の良質な部分がここから垣間見ることができる。「この学校の運動会といったら、暑苦しくうっとうしいほどの男だらけの集団に、汗にまみれ肌と肌がふれあうほど激しく、熱気高々に叫び声をあげるハードな競技もしくは練習中の光景は、ある意味、常識を越えた運動会とも言えますが、中高生が力を合わせ、生徒自身の作り上げた生徒による運動会なので、なによりも自由奔走で活気に満ちた運動会であるというところが最大の特徴であり、見ていても楽しく飽きのないものと思われます。」という文章から始まるサイトだが、実におもしろい。「常識を越える」とはどういうことなのか、「力をあわせる」というのはどういうことなのか論理的に説明がなされているところが、開成らしいではないか。

■ 開成の教育がめざしているものとして次の3点があげられている。「1.生徒一人ひとりが潜在的に持っている能力を、自分の力で見出し、これを最大限伸ばせるような指導をめざしています。2.新時代を切り開く思考力。その基盤となる基礎学力。それらを身につける努力を通じ、粘り強い人物の育成を心がけています。3.創造性のある思考力を育成するため、自由闊達な校風を維持しているが、節度ある自由を心がけ、飾り気なくまじめ(質実)で心身ともに健全(剛健)な人物の育成をめざしています。」

■ これらは運動会というトピカルなものに見事に反映している。「節度ある自由」という件は、どこか他の学校を意識している表現ともとれるが。それはともかく開成がめざしているものは教育空間の工夫にも現れている。化学室にあるパソコンは、何を意味するのだろう。パソコンルーム以外に化学の実験のときに使用するパソコンの存在のさりげない発信。

■ 文化祭のときに小体育館でピアノを演奏する男子生徒のさりげない写真。体育館が演奏ホールに早変わりする仕掛けがあるのだ。空中廊下の存在。もともと佐竹の下屋敷の庭園の跡地がゆえに、ここを歩くときはちょっとしたわびさびを感じる。運動会のサイトで生徒自身、開成の基本の基本の中で、谷中の下町の存在を意識している件がある。開成の歴史性を空間が語るわけだ。

■ しかしながら、やはり圧倒的に開成の質が語られていない。とにかく修学旅行が多い。生徒が自分たちで企画するものだ。校友会という同窓会の活動も奥深いものがあるが、それは表現されていない。観劇も多いし、その後の生徒たちの論文も見事なものが多い。外部講師を招いての講演会も頻繁に行われている。ホームページではその様子がわからない。開成の歴史は一私学だけではなく近代の歴史そのものであるというかつて熊谷校長の言説に値するものが山ほどあるのに、それらが公開されていない。

■ 別にホームページで表現する必要はないと言われれば、それまでであるが、この新しい表現の武器を、開成がどうやって活用していくのか、大変興味深いのである。

サイトから得たい情報・情報の新鮮さ・情報の正当性 開成
[1]生徒の自己実現ぶり ★★★
[2]教員の柔軟性 ★★★
[3]生活文化対応度 ★★★
[4]大学改革対応度
[5]論文編集
[6]授業の中身 ★★
[7]英語活用度
[8]IT活用度 ★★
[9]教育空間の意図 ★★★
[10]進路実績の公開度 ★★★
[11]生徒募集戦略 ★★★
[12]同窓生の活動
[13]更新度
[14]双方向性
[15]教育理念の浸透度 ★★★


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