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| インターネットから学校選択を考える-麻布サイト |
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2002年2月4日 |
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■ 麻布のホームページは実におもしろい。麻布の自由が隅々にまで浸透しているからだ。教育理念がサイトの背景にきちんとあるというのは、情報の信頼性や正当性の証になる。また更新の頻度も比較的高い。これは麻布の教育の情報発信の妥当性を意味するだろう。ビジュアル・デザイン(かわいいとかかっこいいとかおもしろいとかなど)に関しては、なんとも言えないが(サイトの性格上判断する必要もないと思っている)、情報デザインという点では、麻布の教育内容について深く突っ込んで表現しているところもあるし、教育の文脈性がわかる部分もかなりある。 ■ たとえば「衣錦尚絅」という図書館だよりがあるが、この中身が毎号公開されている。最近の号に掲載されている高3の岡本雄太君による本の紹介など誠に痛快だ。岡本君は「学校の役割は終わったのか」(NHK出版)を紹介しているが、本の内容をただ紹介しているのではなく、この本を読むことによって何を考えなければならないかという点について論じている。 ■ 文部科学省の「三割削減」に象徴される教育改革の意味は、「教育の三割自由化」を意味するのであり、「総合的学習」は教育の自由化の代表である。現状ではマスコミは「学力低下」論に占領されているので、こういう理解は難しいかもしれないが、市民自ら教育環境に対する関心を高め、教育への人材、物資、金に対するコンセンサスを形成しようと呼びかけている。「下手に『学力低下』論に同調して将来恥をかかないために(笑)」とまで書いている。そうそう岡本君は「ちなみに私は『文科省』擁護しているわけではありません」とわざわざことわっている。こういうところからも、麻布の自由とは官僚からもマスコミからも自由であり、そういう論調を相対化する視角に立つことであることがよくわかる。 ※ 「衣錦尚絅:中国の古典「中庸」(ちゅうよう)より。衣はころも、錦はにしき、尚は加える、絅はうすぎぬ。つまり、華麗な着物をまとっても、うすぎぬを掛けて、外にあらわさないということ。2001年度から図書館月報の名を衣錦尚絅と改めました。ここでは、深い教養や学問を身につけていても、それを見せびらかさないという意味になります。」(麻布サイトの説明から) ■ 文化祭実行委員長田村太郎君はその挨拶でこう述べる。「今年、第54回文化祭実行委員長に当選した田村です。麻布生の多様性が発揮され、なおかつ、一人一人が麻布生としての一体感を得られるような最高の文化祭を目指していきたいと思っています。これから文化祭までの半年間、ガムシャラに突っ走っていきます。どうか、宜しくお願いします。」なんとも麻布らしいではないか。 ■ 麻布の教員の研究活動も精力的である。その研究成果を「麻布文庫」として刊行している。この文庫の刊行目的は次の通り。「著者はすべて麻布学園の教職員・卒業生・関係者です。諸君にとって身近な人々が、どんなことを考え、実践し、研究しているか、また、麻布学園がどのように豊かな《知》を内包しているか、ぜひ実際に手にとって確かめてみて下さい」と。 ■ 生徒と教員の知的刺激のギブ・アンド・テイクを垣間見ることができるのが麻布のサイトの特徴であり、それは学園の特徴にも通じる。こういうホームページはすばらしい。ただし、浅薄な広告代理店の発想に占領(笑)されている人が見ると、この良さがわからない。しかしそれがまた麻布の目的でもあろう。「麻布学園ホームページは、麻布学園(中学・高校)の存在を、自ら積極的に対外的にアピールするためのものであり、入試案内・学園案内などの広報活動を行うものである。このような目的において、インターネットは情報が広く、速く徹底するという面ばかりではなく、その手間とコストの面からももっとも適当なメディアといえる。……閉ざされた世界になりがちな学校の殻をみずからうち破るべく、情報はできるだけ公開する。もちろん個人のプライバシー保護には十二分に気を配る。」とあるが、「自由の標榜」は眩し過ぎてかえって見えないのかもしれない。 ■ 麻布の教育の中身に関して、知りたいことがもっとあるので、その要望を以下のような項目にして、項目ごとに★の数を入れてみた。3つの★は、見て大変満足したことを意味する。もっとも、この手の満足度に限界はない。もっともっと情報を発信してほしいことに変わりはない。★が1つの項目は、さまざまな事情で発信していないあるいはそういう機能を加えていないのだろうが、できれば努力していただきたいという要望を表明している。 ■ [1]から[15]の項目の充実は、結局「麻布学園(中学・高校)の存在を、自ら積極的に対外的にアピールするためのもの」という目的に直結するし、私学を選択する消費者のフィルターの質を高めることにもつながる。私学を選択する消費者が、市民という意識を高め、マスコミの偏った「学校観」や「教育観」に占領(笑)されないためにも、がんばってほしい。しかし、少子化以上に見識者が少ないという現状で、こういうことを表明すると応募者が今年のように減るかもしれない。生徒獲得戦略からいえば、難しいところではある。
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