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教師の質はいかにして判断可能か

2005年2月19日
by 本間勇人(honma@netty.ne.jp)


◆ 最近、OECD/PISAの報告によるSchool and Classroom Climate(以降SCCと表記)という分析視点が重要であると思えてならない事件が頻発している。SCCは国立教育政策研究所によると「学級雰囲気」と訳せるそうであるが、まさに良好な雰囲気が学校内やクラス内に流れていなければ、学力に対するモチベーションはあがらないし、人間関係も窮屈な状態になるだろう。

◆ そしてそういう鬱屈した状態から解放されたい一心で、あるいはそれが積もり積もって爆発する。こういう抑圧されたSCCを、日本の教師はつくりがちだというのが、OECD/PISAの調査結果であるから、SCCの状況把握は無視できない。

◆ しかも、日本の場合、教師とは逆に生徒は豊かなSCCを生み出しているという結果がでているから、教師の質の見極めは、学校選択においてなおさら重要な指標になってくる。

◆ では、どうやって教師の質を判断すればよいのか。1つは入試問題である。入試問題が、いわゆる模擬試験のような一般的な出題ではなく、独自の工夫が盛り込まれているものであるかどうかが1つの目安になる。もちろん、独自性と独りよがりは全く違うので、そこは注意が必要だ。

◆ もう1つは、説明会の時の教師の話し方、プレゼンテーションの仕方から判断できる。ちょうど世のベストセラーになっている「頭がいい人、悪い人の話し方」樋口裕一(PHP新書2004)という本が参考になる。中身は昔から言われていることだから、表題ほどインパクトはないが、要は、包容力があって、独善的でなく、自分の考えに基づいて意見を明快・簡明に表現し、感銘を与えられる教師の質は高いということに尽きるだろう。

◆ たしかに、道徳的説教ばかりする、他人の権威を笠に着る、自分を権威づけようとする、自分の価値観だけですべてを判断する、矛盾にきづかないなどなどの話し方をする教師が次々と出てきたら、そのような学校を保護者は選択しなくなるだろう。

◆ ところで、この本の命は、あとがきにある。「会話と文章には共通点が多いことに気づいた・・・・・・愚かな文章の特徴は愚かな話し方の特徴でもある・・・・・・」という指摘がそれだ。実は日本の学校の文化基調は、読み方書き方文化で、話し方文化ではないのである。

◆ 受験勉強は1人孤独にやるもので、仲間と話し合いながらやるものではないのだという考え方がまだまだ多いのではないだろうか。それゆえチーム学習を授業に導入するのはお遊びだということになりかねない。しかし、一方でディスカッションが巧みにできるようになったチームメンバーが、自分なりの考えや発想を盛り込んだ論文を書くようになったケースも報告されるようになってきた。

◆ 賢い文章の特徴は、賢い話し方の特徴に通じるものがあるのである。それゆえ、小論文指導とプロジェクト学習のような授業が組み合わさっている教育課程を編成している学校のSCCは豊かである可能性があるし、それを生み出している教師の質が高い可能性があるのである。


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