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2004年学校選択傾向〜≪学校選択リテラシーの≫すすめ

2004年12月27日
by 本間勇人(honma@netty.ne.jp)


§1 女子の学校選択傾向

■ 2004年12月5日実施公開模試の志望校登録の動向をみてみよう。この時期にはほぼ志望校の選択は決まっていると予想できるので、来春の動向が読めるだろう。まずは女子の学校選択傾向から。女子の選択対象である女子校と共学校合わせて204校を分析対象とした。

■ 【図1】のように4つのカテゴリーに分類し、各カテゴリーごとに5つの選択度の分布を作成した。たとえば、女子の選択対象である女子校と共学校の中のエクセレント・スクール・グループでみてみると、60%のエクセレント・スクールが選択度4以上で、人気が高いということがわかる。

※学校選択カテゴリーの詳細については以下のページを参照のこと。
http://eri.netty.ne.jp/honmanote/selection/2004/0816.htm
http://eri.netty.ne.jp/honmanote/shigaku/2004/1018.htm

■ 「選択度」とは、ここでは志望者数の前年対比の高低のことを指す。また前年対比のためのデータとしては、各学校1回目の入学試験の志望者数に限定した。2回目以降は、実際の試験でも棄権率が高くなるから、データの安定感が弱いし、やはり第1志望校に関しては、1回目の入試を受験する率が高いからである。

■ 「選択度1」は志望者数が30人未満を意味し、生徒の選択志向性が高くないことを示す。「選択度2」は、志望者数30人以上で、前年対比60%以上70%未満。「選択度3」は志望者数30人以上で、前年対比70%以上80%未満。「選択度4」は志望者数30人以上で、前年対比80%以上90%未満。「選択度5」は志望者数30人以上で、前年対比90%以上。要するに「選択度1」から順に生徒の選択志向が高まるという傾向を表す指標である。

■ さて、【グラフ1】を見てみよう。「選択度4」以上に占める割合は、エクセレント・スクール・グループもエリート・スクール・グループも同じような傾向を示している。しかし、「選択度5」に限定してみると、クオリティー・スクール・グループも健闘しているといえる。ただ、クオリティー・スクール・グループは、「選択度1」が50%を占めており、完全に二極化している。一方、トラディショナル・スクール・グループは80%弱が「選択度1」の中に属しており、私学全体の中で、二極化が生じていることを表している。

 

§2 男子の学校選択傾向

■ 男子の学校選択傾向を女子同様見ていこう。男子の選択対象である男子校と共学校合わせて146校を分析対象とした。【グラフ2】を見れば明らかなように、エクセレント・スクール・グループとエリート・スクール・グループが圧倒的に安定して選択されている。またクオリティー・スクール・グループもトラディショナル・スクール・グループも同程度「選択度5」に属する学校が存在している。

■ これはクオリティ・スクールもトラディショナル・スクールも進路指導の充実に関して強化策を打ち出していることを表明する学校があるからで、やはり男子の選択傾向は進路指導というより進学実績に左右されるというの変わらないのかもしれない。

■ 二極化の傾向は女子校同様の傾向にあるが、もう1つ男女に共通していえる事で重要な点は、実際にはエリート・スクール・グループ内でもゆるやかな二極化が始まっているということだ。学校側からすると、エリート・スクール・グループの中でクオリティーを上げようと努力する傾向が顕著になってくるだろうし、クオリティー・スクール・グループの中では進路指導の充実を強化する傾向が顕著になってくるだろう。つまり、エクセレント・スクールを目指す動きが両者のカテゴリーからでてくるだろう。この傾向はトラディショナル・スクールでも同じことだが、いきなりいっぺんにはエクセレントにはなれないのだから、まずはエリートベクトルなのかクオリティーベクトルなのか学校改革のビジョンをどちらに進めるか迷うところだろう。

 

§3 ≪学校選択リテラシー≫のすすめ

■ 二極化は学校の存亡の危機であるのだから、受験生(とその保護者)側からすれば、「学校選択リテラシー」をトレーニングし、鋭い洞察力で学校選択をしていかねば自分の母校の行く先が不安でたまらなくなるだろう。また、消費者としては「学校選択リテラシー」は、学校を変える大きなアイテムである。「学校選択カテゴリー」と「12の学校選択指標」について広く奥行きのある視点を必要とする「学校選択リテラシー」のトレーニングをお勧めする。

■ さて、最後に【グラフ3】。4つの「学校選択カテゴリー」に属する学校数の割合を出したものである。【グラフ1】〜【グラフ3】を重ね合わせて考えてみると、ショッキングな現実にぶちあたる。どうやら私学はもはや同病相隣であってはならないようだ。従来は塾もこの事実に触れたがらなかった。自分たちの私学市場が冷えるのを恐れたのである。しかし、今では違う。黙することによって市場を守るのではなく、積極的な方法論を考えスピード感ある方向転換のアイディアを創出することで、私学市場を再構築することが塾に課せられているだろう。いかに私学が未来を創る(日本の未来&子どもたちの未来を創る)学校として切磋琢磨するか、塾業界がそれをサポートできるか。そして何よりも受験生を抱えた保護者であると同時に教育の消費者である、つまり私学にとっても塾にとってもマルチ・ステイクホルダーである保護者が≪学校選択リテラシー≫をいかに身に付けるかに、私学のゆくえはかかっているということである。

■ ≪未来を創る学校≫を探す理由あるいは創設する理由、≪学校選択リテラシー≫を身に付ける理由、各≪学校選択指標≫項目でスコアの高い私立中高一貫校のリストなどについては、私と国際教育情報室長の岡部氏とが協働で監修した「未来を創る学校〜首都圏 私立中高一貫校の新選び方」(http://eri.netty.ne.jp/shop/index.htm)が参考になると思う。


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