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| 八千代松陰中学・高等学校 |
| by 本間勇人(honma@netty.ne.jp) |
| ちょっとしたものに本質を見る目を養う本物の教育がある 八千代松陰は、広大な敷地と緑に囲まれている。そこには静けさがある。木の葉のまろぶ音、どんぐりの散在、風に揺れる枝などの背景にある目に見えない大切なものに生徒たちが気づくチャンスが学園の日常生活のなかに開かれている。 山下校長先生は、大変穏やかな方で、難しいことは一言も語らない。まるで俳句の言葉を操るように、わかりやすくそれでいて含蓄のある本物の言葉を語り続ける。 その本物の言の葉をエネルギッシュで実行力ある竹川教頭が、現実化していく。校長と教頭のパートナーシップは外から見ていて、小気味よい。 校長は、子どもたちに、ちょっとしたものにも目を向け、心を開く精神を育てていって欲しいと語る。 たとえば、修学旅行でバスや電車に乗ったとき、カーテンを閉めトランプやゲームをおもしろがるのではなく、車窓から自然を眺め、人々の生活を見、何かを感じとって欲しい。ちょっとしたことが大切だと語る。 生け花クラブでただ花を飾る技術を学ぶだけではなく、きれいな花を見て感動したり、あるときは、草木を手折って生けるのはかわいそうだと感じたりする優しい心を培って欲しいと語る。 校庭一面に広がる落ち葉をただ掃きそうじするだけでなく、きれいな葉をしおりにしたり、弟や妹に持っていったりする思いやりも育ってくれるとよいのだがと語る。とにかく静かな情熱のこもった言の葉を語るのである。 この情熱を、竹川教頭は、ものの見事に形として作り上げていく。 ESP(Ethical Study Program)はその一つである。これは、従来の道徳教育とは違い、コミュニケーションを重視したプログラムである。たとえば、登校中のバスの中での姿勢について、話し合うプログラムなどはわかりやすい。生徒にとってリアルな問題であるだけに、議論の論点や解決案は、日常の生活に密着したものとなる。この議論の中で、エゴと公共性の違いと融和の両方が生徒の身体に染み渡る。生徒一人ひとりのエゴが公共性と融和し、自律=自立した個人として成長していく過程をコミュニケーションを通じて促す仕掛けになっている。 山下校長は、この公共性を単なる人間関係の調整でよいとは考えていない。校庭の樹木、植物、小動物という自然にたいする気遣いも公共性の一つとして考えている。 このESPは、実は八千代松陰の国際教育の基礎作りでもある。このプログラムを通して、自律=自立した個人を作り上げ、ちょっとした日常の出来事に本質を見る目を養ったり、視野を広げ、オープンマインドを培っていったりするという校長の考えは、当然ながら国際教育の基本でもある。 このような精神が土台としてあるからこそ、真の国際教育は大きく広がっていくし、竹川教頭は、その実現のためにまたまた世界中を駆け巡ることになる。 こうして竹川教頭は、韓国、ニュージーランド、オーストラリアなど交換留学やIGSクラス語学研修の制度(年間140人の生徒が活用)を構築していく。いうまでもなく、この交換留学では、語学力を向上させるということよりも、文化の違いや共通点を発見したり、特に韓国では、日本の家庭に失われてしまったものを再発見したりするなど、八千代松陰のふだんの生活で養われてきた物の見方を実際に使う場としての有用性を重視している。 登下校の態度、校庭の自然と接する姿勢といった日々の生活の中で、自立した個人を形成していく教育における誠意とその実践は、地球規模の視野と精神をもった人材を輩出するという壮大な八千代松陰ビジョンにつながっていくと私は確信する。開校以来わずか16年という短い時間で、これほどしっかりした教育の骨格を構築し、甲子園出場や東大合格も果たしている八千代松陰という私立中高一貫校に、21世紀の教育のリーダーシップを大いに期待してもよいのではなかろうか。 ★ 八千代松陰のカリキュラムや学園生活を詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。 http://www.yachiyoshoin.ac.jp/ |
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