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| 2007年中学受験から見えること(2) 〜中学入試問題の意味が認識される時代到来か? |
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2007年2月13日 |
| ◆ 2007年は中学入試に対するマスコミの見方が変わってきたかもしれない。かつて朝日新聞などでは、私立中高一貫校の中学入試問題は暗記力が問われる問題で、公立中高一貫校の適性検査は思考力が求められるというあまりに乱暴というか全く検証していない論調に、社会の公器がこんなんでよいのかと思ったが、日経新聞(2007年2月8日)のコラム「春秋」では、私立中高一貫校の入試問題がいかに子どもたちの創造的才能を刺激するか(コラムニストは「思考力」と表現していたが)について述べられていた。全く正当な評価だ。
※参照→http://eri.netty.ne.jp/editor/070208.htm ◆ がしかし、朝日新聞の記者がなぜそんな憶見で記事を書いてしまったかというと、おそらく公立中高一貫校は従来の教育とは違い、新しい学びの環境を作るという方向性を引っ張りたかったから、そうなってしまったのだろう。確かに時間的には、公立中学であれ私立中学であれ従来であることに変わりはない。 ◆ 本当は、公立の従来の学びの環境とは違う私立中高一貫校の学びの環境を公立中高一貫校が模倣したという事実を、良いものは良いと公立中高一貫校が認めたことを示唆すると評価すべきだったのだろうが、言論の自由は実はないのかもしれない。基本的には官尊民卑路線でなければ、新聞は売れないのかもしれない。私立中高一貫校の多くは官尊民卑は嫌いだから、これまたしようがないのかもしれない。 ◆ それはともかく、私立中高一貫校の入試問題や学びの環境と全く違い、国際標準から相当後退している公立学校の問題作りや学びの環境について、たいへんわかりやすく整理された講演の報告書が、ベネッセコーポレーションから発刊されている。これは必見のレポートである。 ◆ 「2005年度/8月公開シンポジウム報告書 中等教育段階における多面的教育測定―PISAを超えて―」<東京大学大学院教育学研究科 教育研究創発機構 教育測定・カリキュラム開発(ベネッセコーポレーション)講座>という報告書がそれである。 ◆ その報告書の講演1「PISA読解力調査で分かったこと」で、有元秀文(国立教育政策研究所総括研究員)さんが、PISAで公開された問題と、日本の「国語」の問題の違いをまとめている。ただ、条件の説明が不足している。「日本の『国語』の問題」ではなく、「日本の公立学校の『国語』の問題」との違いということは明確にしておかねばならなかったと思う。おそらく有元さんにとっては、私立中高一貫校に通っている7%の生徒のことは眼中になく、93%の公立学校の生徒を想定しているから、そういう表現になったのだろう。官尊民卑は<無意識下>の日本の公立学校文化なので、これまたしかたがないのかもしれない。 ◆ それから「国語」に限定しているのも問題である。PISAの場合、「読解リテラシー」のための素材は「国語」の素材に限定していない。「社会」や「科学」の素材もテキストの対象としているのだから、なぜに日本の公立学校の「国語」の問題に限定するのだろう。“Reading literacy ”“performance”という言葉が、英語版のPISA報告書“Learning for Tomorrow’s World”には出ているが、これらは広い概念だと説明されている。それをなぜに「読解力」という誤解を招くような言葉に限定したのだろうか。 ◆ そういう疑問をもちながら、有元さんのPISAの問題と日本の国語の問題の違いを検討していこう。私立中高一貫校の問題がいかにPISAを超えているかが見えてくるはずである。(つづく) |
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