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クリエイティブクラスが注目されている

2006年11月6日
by 本間勇人

◆ 喫茶店などで新しいタイプの客が増えたのに気づかないだろうか。日本経済新聞のコラム"春秋(2006年11月5日)"は、「くだけた服装だが学生ではなくノートパソコンで仕事に没頭。彼らのようなタイプを米国の社会学者がクリエイティブクラス(創造者階級)と名付けた」と取り上げていた。

◆ この社会学者はおそらくリチャード・フロリダ(ジョージ・メーソン大学教授)のことだろう。IT、デザイン、マーケティングなどの分野(生産現場の技術者や金融関係の一部のスタッフも含む)で活躍する人材で、3T(Technology、Talent、Tolerance)の条件を有しているとフロリダは指摘する。

◆ "春秋"では「クラスといっても収入や資産で区分するのではなく、価値観やライフスタイルで階層をくくった点が新しい。その波が日本にも及んできた。」と述べられているが、この価値観やライフスタイルが3Tをベースにしているのである。

◆ それにしても"The Rise of the Creative Class: And How It's Transforming Work, Leisure, Community and Everyday Life"という本はリチャード・フロリダによって2004年に出版されているにもかかわらず、邦訳もされずそれほど騒がれた様子はない。

◆ しかし、検索してみると、今年、クリエイティブクラス・コンサルティングという会社もできているし、セミナーも行われているようだ。何と言っても今回の春秋は、「日経産業消費研究所が月刊誌『日経消費マイニング』で日本のクリエイティブクラスを対象とする調査を特集している」というPRも兼ねているほど。

◆ ダニエル・ピンクはデザインの時代がやってくると語った。こちらの方は大前研一さんが昨年「ハイコンセプト」という題で訳していた。今月のPenの特集は「いま世界にはアートが必要だ。」

◆ 世界をつかみとるハイコンセプト、世界のニーズを感じとるハイタッチな能力、つまり3Tの能力を有する人材は、今までの学歴社会街道を一直線で歩むのではなく、楽しみながら、あるときは逸脱しながら、生まれてくる。かつてはこのクリエイターたちの多くは、経営陣たちに道具として使い捨てられてきた。日本では今もまだまだそうだが、欧米ではすでに30~40%はクリエイティブクラスとして活躍しているという。

◆ 希望格差、学力格差、収入格差、人権格差、平和格差、安全格差などをぶっ壊すトリガーはこのクラスからではないだろうか。そして言うまでもなく、私の独断と偏見であるかもしれないが、昨年来クリエイティブクラスの人材は、官僚主義的近代化路線とは違う、もう一つ別の理念的近代化路線を牽引してきた私立中高一貫校から輩出されると提唱させていただいている。



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