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中高一貫校の時代性【4】

2006年3月13日
by 本間勇人(honma@netty.ne.jp)

◆ 日経新聞(2006年3月13日)によると、「国立大学医学部は、私立中高一貫校による寡占状態にある」ということである。この記事はお茶の水女子大の耳塚寛明教授の「まなび再考」という教育関連コラムに載っている。

◆ お茶の水女子大大学院生の中川さおりさんが調べた結果から結論付けたようである。旧帝大ほか9つの国立大学の合格者の出身高校(あくまでベスト8のリストアップで制作している)の国公立・私立別の割合が、1981年と2005年で比較されているようだ。記事から比較のグラフを書き起こしてみた(【グラフ‐1】参照)。

◆ なるほど私立中高一貫校の寡占状態である。この状態を以下のように解釈している。「もはや日本社会は高校生自身の努力と能力がものをいうメリトクラシー(業績主義)ではない。勝敗を分けるのは、子ども以前に、『親の財産と願望』にほかならない。英国では"ペアレントクラシー"という言葉が使われ出したが、日本でも"子どもの進路は親次第"の時代の到来である。警鐘乱打。」とある。

◆ 「勝敗を分ける」とか「警鐘乱打」というのはどういう意味であろう。子どもの学校選択を親が熟慮しだしたというのは「勝敗を分ける」ことなのか、「警鐘乱打」に値することなのだろうか。英国のペアレントクラシーというのは、詳しくは分からないが、日本とは相当異なるお金持ちの話である。年収が1000万とかいうレベルの話ではないのではないだろうか。それに日本とは私学に入る試験制度が違うのではないだろうか。調べなければなんとも言えないが。

◆ したがって、日本では、ペアレントクラシーが、直接医学部をたくさん合格させる私立中高一貫校に直結しているというのはまだピンとこない。中学入試問題を見る限り、小学生のメリトクラシーが進んでいるとは言えると思うが。

◆ 英国の例を持ち出すよりも、むしろ米国のチャータースクールやホームスクールの例を挙げて、市民による学校作りや学校選択肢の幅の拡大について考えた方がよいのではないだろうか。中高一貫校の時代性は、市民の「学校選択の視点」を生み出すことも意味する。教育を国や自治体によって枠をはめる行為よりも市民自身による選択ができる状態を創ることのほうが重要な気がするのだが・・・。



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