私立中高一貫校研究 私学Bracketing 学校選択を考える 入試について 学力を考える 学びを考える
教育と経済 フランク・ロイド・ライトとの対話 これからの教材 企業と経済研究 入試に役立つ読書 未来を創る学校





2006年私立中高一貫校の「入試問題」を斜めから見ると(3)
開成の算数の場合

2006年2月7日
by 本間勇人(honma@netty.ne.jp)

◆ 2006年の開成の算数はおもしろい。受験という立場で分析すると、もしかしたら難度そのものはそう難しくなかったかもしれない。開成のサイトには早くも入試結果が公表されているが、それによると算数の全体平均は55.1で、合格者の平均は71.1(85点満点)だから、やはり例年に比べるとかなり易しいか。

◆ 出題分野から見ると、従来とそう変わらないように見える。たとえば昨年「ホンマノオト2005年8月4日」で分類した表を活用して比較してみても大きな流れは変わらない。

【開成算数】 計算論理 比較論理 時間論理 空間論理 論理発見

2003〜2005年

0.0% 0.0% 15.0% 35.0% 42.0%

2006年

0.0% 0.0% 14.3% 28.6% 57.1%

◆ しかし数学的な側面からみてみると、最後の問題などは循環小数の論理を考えながら、試行錯誤しながら、循環節の長さのあたりをつけながら・・・、実際には計算のスピードで決まったかもしれないが、解いていくことができる。実に興味深いのである。私はもう体力がないからエクセル表ですんなり解答を出してしまったが。

◆ この問いかけには有理数と無理数の問題などが横たわっている。学習指導要領で円周率を3としてしまうことがこのような概念を考えるチャンスを奪うことにつながるのではないかというメッセージが見え隠れしている。もっとも受験生にはこんなことは関係ないが。ただ、開成の算数の入試問題に、開成の数学教師の高い見識とセンスのよさを感じるとともに、開成の6年間一貫教育の中にどういう数学の学びがあるのか期待しないではいられない。



私立中高一貫校研究の目次へ