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2006年2月2日 |
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◆ 昨日2月1日に実施された麻布の理科の入試問題で、分子や原子、電子レベルの素材を、「結晶」と「小さい粒」という表現だけで考えていく問題が提示された。量子力学や超ひも論の入門的問いかけでありながらシンプルな原理を考察するトリガー・クエスチョンなのである。 ◆ 物質をつくる小さな粒の電気の帯び方は、4通り。これは数学的論理の世界。磁石の体験しか頭にないと、プラス極とマイナス極の2通りしか思い浮かばないだろうが、論理的に考える癖がついていれば、プラスだけ、マイナスだけ、プラスとマイナス、電気をもたないという4通りの粒が世界には存在するのではないかということが予想できる。目に見えないナノレベルやそれ以上の世界について考えめぐらす入試問題を出題するというのは、麻布の理科の先生の美学が感じられる。 ◆ あらかじめ提示されている5つの基本原則を組み合わせれば、「食塩が水に溶ける理由と、食塩が油に溶けない理由」の説明はうまくできる。美しい理科の記述問題。 ◆ もっとも、「入試問題」というラベルが貼られるや、この問題はできなくても後に回して他の問題をやろうという受験テクニック的な指示が飛んできそうだ。麻布の理科は40点満点で40個の問いが出題される。記述であろうがなかろうが1問1点ということだろう。合格するためには背に腹は代えられない。 ◆ この「入試問題」というラベルが貼られると、一般には、どれくらい難しいのか、合格するにはどれくらいスコアをとればよいのか、入試の出題範囲・素材・問題形式の傾向は変化したのかどうかということなどが話題になるし、受験のプロの方々の問題傾向分析視点となる。 ◆ このような視点は全くその通りで、入試問題は選抜テストだから当然といえば当然なのであるが、いったい生徒の何を選抜するのであろう。生徒がどれだけ勉強してきたか。生徒の蓄積した知識。生徒の論理的思考力。生徒の想像力・・・。 ◆ いろいろあるだろうが、もっとも大事な点は、たとえば、麻布なら麻布に進学して6年間でおそらくこういう創造的才能を開花するだろう、あるいはそういうことに興味と関心を抱く資質があるだろうなどというような可能性を見極めることができるかどうかではないだろうか。 ◆ 麻布の理科の入試問題は、社会・人間・自然が作り出す複雑な現象を生み出す(実は)シンプルな原理を探究する授業が待っていることを予感させるし、そういう授業を6年間経て卒業する段になると、自分の才能を信じて、自らそれを発展させていこうとする人材が育っていることも予想させる。教育は消費か投資か。これも4通りある。麻布は消費という教育過程そのものが投資でもあるのである。 |
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