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≪未来を創る学校2005≫を振り返る(13)

2006年1月10日
by 本間勇人(honma@netty.ne.jp)

◆ クリエイティブ・コミュニケーションというと何か優しさやハートフルなイメージが広がるかも知れないが、そればかりではない。創造性とは論理的な思考や議論、活動の中でふと生まれてくるものだ。ある矛盾、逆説にぶつかり、直観的にそれを乗り越える発想が湧き、それを検証する議論、リサーチ、説得力ある表現というコミュニケーション行為が試行錯誤と一進一退と・・・というタフな感じなのである。

◆ そしてそのなかなか解決できないテーマが自分のものとなったとき自分の人生の道が拓けるし、テーマを共有する仲間が見つかる。このようにクリエイティブ・コミュニケーション行為とはなかなか厄介なもので、互いに励ましあう仲間がいなければ、また温かく見守っていてくれる人がいなければ、やり続けられない。

◆ このように、生徒1人ひとりの個人の知性と品性を磨け上げると同時に、仲間や教師とのシナジー効果を作り出すことができる学びの時空がある学校として八雲学園は存在している。

◆ 私のブログ「教育のヒント」で、このところ12月23日のセンター模試の志望校登録数を分析してきたが、八雲学園の一回目の入試は午後入試のため、午前入試の分析対象とならない。そこで午後入試の学校グループだけを抽出して、志望校登録数のランキングを作ってみた(参考→「12/23センター模試の志望校登録ランキング(午後入試動向)」。やはり八雲学園は、カリタス、横浜女学院に続く勢いだった。八雲学園に続く学校は、東京農業大学第一中で、いずれも午後入試をする必要を感じない人気校である。

◆ なぜこれらの学校が午後入試を第一回目に持ってくるのだろうか。それぞれ理由が違うだろうが、中でも八雲学園は、事情が他校と大きく違う。それは今年06年から隣接地に都立大学附属高校を母体とする公立中高一貫校「桜修館」が誕生するからである。

◆ もちろん、このことについては、すでに織り込み済みのはずである。だから八雲学園は、「生徒獲得戦略」、「グローバルな英語教育」、「生徒と保護者と教師のコミュニケーション行為」、「大学進学システム」、そして「芸術教育」のどれ1つに対しても楽しく冷静にそれでいて厳しい目をもって支え、構築してきた。それにもう1つ、八雲学園の理事長・校長である近藤先生は、東京私立中高協会の会長でもあり、自分の学園のみならず、私立学校すべての進む道を考え支える立場に位置している。ますます桜修館とは日本の教育のための有意義な一戦を交えなければならない。

◆ 公立中高一貫校の構想はすでに90年代から十分に準備がされてきたが、私見では、もともと私立中高一貫校の成功をみて、自分たちもやろうという二番煎じ、三番煎じであり、独自性がないために、そうやすやすとうまくいくとも思えない。税金の問題もあるし、長くは続かないだろうが景気回復の兆しもあるので、ここで一気呵成に八雲学園があらゆる側面で良質教育とその実績を証明すればよいのである。

◆ いずれにしても桜修館は背景には国の教育改革の流れが存在している。同校は進学重視だけではなく、幅広い新しい学びの環境も構想していることを明確に表明している。隣接地に相手として結構やるではないかという学校が出現したわけだ。それをテコに「八雲学園」は大飛躍が期待できる学校となるだろう。それが午後入試の意味だったのである。

(つづく)



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